監督:ジョエル・シュマッカー 出演:ジェラルド・バトラー エミー・ロッサム パトリック・ウィルソン、他 オススメ度:☆☆☆☆
【あらすじ】 19世紀パリ。オペラ座では毎夜華やかなショーが繰り広げられる一方、ファントム(怪人)による奇怪な事件が頻発して劇場の人々を恐れさせていた。オペラ座の寄宿生クリスティーヌは「音楽の天使」からレッスンを受け、そして美しいプリマへと成長する。クリスティーヌの幼馴染みラウルがオペラ座のパトロンになり、たちまち恋に落ちる2人。ところが「音楽の天使=ファントム」もまたクリスティーヌを愛し、彼女を地下洞窟へ案内すると自分と共に生きるように願い出るのだったが・・・
【感想】 1986年にロンドンで初演、その後世界18ヶ国100都市以上で大ヒットの超ロングランを続け、全世界8000万人以上がその素晴らしい舞台に酔いしれたという、天才作曲家A・ロイド=ウェバー氏が送り出す「オペラ座の怪人」の映画化。 ぴよもさすがに「オペラ座の怪人」の話の大筋は知ってたんですがね、ミュージカルは見た事ないんですヨ。 だから本作がミュージカルとどれくらい細かい部分で内容が違うのかはわからないんですが、ミュージカルも見たという友人の話では「映画冒頭からチョロチョロ出てくる『1919年のパリ』は映画オリジナル」だという事らしい。
んな訳で本作。 予告編でもゾクゾクしたけど、最初に1919年のオペラ座から本筋の舞台となる1870年代のオペラ座へ蘇って行くシーン、あの誰もが耳にしたら忘れられないテーマソング「ジャーン!ジャジャジャジャジャーン!←これぢゃわかんねーヨ(笑)」が流れた瞬間、冗談抜きに全身に鳥肌が立ったワ!!
とにかく美しい!装飾、美術、衣装、何もかもが余りに美し過ぎるし、何度聞いてもウェバー氏の作曲したあの数々の名曲がスクリーンの映像に被る度に「あたしゃー何てスゴイものを見てるんだぁっ!」という感動が・・・
でもネ、 これはすごく意外だったんだけど、セリフの8〜9割くらいは歌なんですよ。 歌がセリフになってる。ミュージカルだもん、歌がセリフになってるのは当たり前じゃん!とも思うんだけど、でもコレは映画なんですよ?映画ならではのフツーのセリフ回しや展開がもっと占めてると思ってたのね。 イメージ的には「シカゴ(2003.3.13鑑賞)」くらいの分量。あくまでも映画としての「演技」の上に歌を載せて観客を楽しませるというエンターテイメントにしてあるとばっかり思ってたんだけど、この作品は本気でミュージカルの舞台をそのままスクリーン化してあげましょう!ってな感じでした。
それがダメな訳じゃないんだけど、正直言ってミュージカルを見慣れてないぴよが見ると、内容に入り込むのにすごく時間がかかるって言うのかさ、それより何よりエミー・ロッサムちゃんが・・・彼女は7歳から大舞台でパバロッティやドミンゴと共演して来たというだけあって、そりゃーお歌がお上手なのですが、映画全般通して彼女の演技が非常に硬くないですか? もっと言っちゃうと表情に乏しい・表現力に乏しい。もっと簡単に言うと「大根」←をいをい(^-^;
だって驚いてる表情も恐怖にひきつる表情も嬉しそうにしてる表情も苦悶してる表情も、ぜーんぶ目を見開いてるだけで同じに見えちゃったんですけどー(^-^; で、彼女の演技がヘタだから(をい)なのか脚本に問題があったのか、クリスティーヌというオンナが、ファントムに求愛されれば嬉しそうに尻尾を振り、そしてハンサムなラウルに求愛されればまた尻尾を振るという「単なる尻軽オンナ」にしか見えなかったってのが・・・言い過ぎ?(苦笑)
今作、主役格の3人(ファントム、クリスティーヌ、ラウル)は吹替えなしの生歌で勝負してるらしいですが、本当に3人ともよく頑張ってて上手なんですよ。 勿論クリスティーヌ演じたエミー・ロッサムちゃんも上記に書いた通り、とてもお上手でした。 でしたけど、元々オペラ座のプリマを張ってたカルロッタ嬢をプリマの座から引き下ろすにはちと物足らない。もっと言うとクリスティーヌよりもカルロッタの方が明らかに声量もあるし歌も上手く感じる(爆) カルロッタを演じたのはミニー・ドライヴァーですが、これはさすがに吹替えなのかな?それにしても、せめてエミー・ロッサムよりも確実にヘタクソな人に吹替えてもらわない事には、オペラ座の観客も映画館の観客も納得出来ないでしょう。
随分ダメ出ししちゃってますけど、でもとにかく迫力はある。 やっぱ音楽がスゴイ!衣装も美術もスゴイ!少なくともこの映画はDVDじゃなくて、映画館の大スクリーンといい音響で見なければ意味がない「スーパーエンターテイメント」である事には間違いがない!
・・・微妙な感想になっちまいましたが(苦笑)、一般公開されたらもう1回くらいは見に行くよ。うん。
|