2005年01月22日(土) |
舞台よりすてきな生活 |
監督:マイケル・カレスニコ 出演:ケネス・ブラナー ロビン・ライト・ペン スージー・ホフリヒター、他 オススメ度:☆☆☆
【あらすじ】 売れっ子劇作家ピーター・マクガウェンは大の子供嫌い。仕事はスランプ続きの上に妻のメラニーは子供が欲しいとせっついて来る。おまけに隣家が犬を飼い出してギャンギャン吠えるから夜もロクに眠れずイライラ。 そんなある日、近所に足の不自由な少女エイミーが引越して来た。大喜びでエイミーの子守りを買って出るメラニーに苦々しく思いながら書斎に逃げ込むピーターだったが、「新作戯曲の台本に出てくる子供にリアリティがない」とダメ出しを食らっていた彼は、エイミーを観察する事で子供の表現を膨らまそうと思い付くのだ。
【感想】 ロバート・レッドフォード氏が製作総指揮を取った作品。 監督は今作が長編映画初メガホンとなるマイケル・カレスニコ氏。彼が脚本も手掛けてます。
内容は、子供嫌いの劇作家がひょんな事から近所のガキと交流するようになって、いつの間にか子供嫌いを克服してるという単純明快なモノなのですが、この映画の示唆するモノは「子供嫌い=自分が大人になり切れてない」という記号。 かつては「怒れる若者」と呼ばれたピーター、既に若者ではなくなっていても精神的にはまるで成長していない。世間のアカにまみれて大人の世界は知っていても精神的には大人になり切れていないという中途半端なオッサンにとって、リアルな子供というのは理解不能でうっとおしい脅威の対象でしかないのだ。
そんな半端な「大人子供」のおっさんがリアルな子供と交流する事で精神的に成長して行くという、よくありがちなステレオタイプのヒューマンドラマなんですが、ピーターが劇作家だという設定を楽しませようという趣向なのか?彼のセリフが一々ウィットに富んでいてかなり笑わせてくれます。 かつての(今もか?苦笑)ウディ・アレンを彷彿とさせてくれますね。もしかしたらかなり彼を意識してるのかも?
展開もオチもミエミエの話なので、一生懸命エピソードを膨らまそうという努力は痛い程判るのですが、ボケた嫁のおかんや偽ピーター等の「いてもいなくてもどーでもいいよーなキャラ」は思い切って全部バッサリ切っちゃって、ピーターとエイミーの交流部分やピーターの心境の変化をもっと丁寧に見せてくれた方がいいんじゃないの?と思ったんですが(^-^;
ついでに言うと、ピーターは英国人で今はLAに住んでるという設定なんだけど、これも意味ない感じするなぁ。 英国車にこだわっていたりLAっ子を皮肉ったりするだけで、ピーターというキャラの肉付けにそれ程魅力が増しているとも思えないし「子供嫌い」という部分の強調にもなっていないし。 これってもしかしてピーター演じるケネス・ブラナーがアイルランド出身だからってだけの理由なのか?
散々書いてますけど、見てる時は結構楽しかったんですよ。←今更何を・・・(笑) 話の内容事態が面白かったんじゃなくて、単にピーターのセリフや様子に笑ってたんすけどネ。要するにケネス・ブラナーが上手かったって事なのかしらん? 個人的には嫁のメラニーを演じたロビン・ライト・ペンの方がステキに見えたんだけどナ。
いや、本当に決して悪くない作品なんだけどなぁ・・・ぶっちゃけ言って「TVドラマレベル」程度だったし(コラ) TVで見る分には充分大満足出来るけど、映画館で金払って見るとなるとちょっと物足らない感じなんだよね。
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