監督:トニー・スコット 出演:デンゼル・ワシントン ダコタ・ファニング クリストファー・ウォーケン、他 オススメ度:☆☆☆
【あらすじ】 対テロ部隊で暗殺工作に明け暮れ、すっかり心を蝕まれて酒浸りの日々を送るクリーシーは、かつて同じ部隊で戦った朋友レイバーンを訪ねてメキシコシティにやって来た。クリーシーの行く末を心配するレイバーンから紹介された仕事は、裕福な家庭の一人娘ピタのボディガードだった。純粋なピタによって次第に笑顔を取り戻し始めたクリーシーだったが、幸せな日々はピタが誘拐された事によって一転、クリーシーは負傷した上に誘拐事件は最悪の結末を迎えるのだった。
【感想】 A.J.クィネル氏のベストセラー小説「燃える男」の映画化。 原題は「Man on Fire」なので小説タイトルと同じみたいですが、何故か邦題は「マイ・ボディガード」・・・コレはどうにもいただけませんな。更に言えば予告編の作りもキャッチコピーもダメダメでしょう。 「レオンから10年」って、レオンを引き合いに出すとレオンファンの皆さんババ怒りしちゃうぞー!ってな(笑)
さて、映画の内容ですが。 前半はピタとクリーシーの心の交流を描き、すっかり人を愛する事や笑う事を忘れたクリーシーがピタによって新たな命を得る部分を丁寧に見せる。んで後半は自分に新しい命を与えてくれたピタを奪われた事によってクリーシーが大暴れする復讐劇、という感じでしょうか。
デンゼルもダコタちゃんも演技はピカ1です。申し分ないでしょう。 申し分があるとすれば脚本としつこいエフェクト効果。コレに尽きます(笑)
映画前半の心の交流シーン、丁寧に描いていると言えばそうなんでしょうけど、そもそも最初にクリーシーがピタに興味を抱く部分が余りに唐突過ぎて「へ!?」という感じしかしません。 それでも救いはデンゼルとダコタちゃんの演技。デンゼルは自然に笑みがこぼれている自分に戸惑い、そして戸惑いながらもそれが嬉しい変化だという事を実感していく様子を実にうまく演じています。 ダコタちゃんは相変わらず表情がウマイんだよねー。自分のどういう表情が観客の心を掴むかよーく判ってらっしゃる。 ウマ過ぎです。ウマ過ぎて鼻に付くくらいです(をい)
クリーシーの友人役でウォーケン使ってるんだけど、彼の使い方はもうちょっとヒネって欲しかったな。クセのある演技と胡散臭い役作りが魅力のウォーケン様なのに、すっかり毒抜いちゃってただのイイヒトさせちゃってるんだもんなぁ。 せめてクライマックスにすんげー派手な銃撃戦シーン作ってサ、ひょっこりウォーケンが加勢に現れて「やっぱオレも手伝っちゃおうかなー♪なんつってナ♪」くらいやってくれれば笑えたのにぃ(こらこら)
映画の前半から頻繁に多用されている「フラッシュバックのよーに画面をパッパとツギハギするエフェクト効果」も、ただ目を疲れさせて画面酔いさせるだけにしか役立っていませんし(をい)、かなり陰湿なやり方の復讐劇もオチが見えているので説得力に欠いていますし、2時間26分という上映時間を飽きさせないよーに工夫して作られているとは思うものの、やっぱり長過ぎると言わざるを得ません。
ただ、「目には目を」というアメリカさん的復讐劇の結末が必ずしもハッピーエンドと言えない作りだったという部分は評価したいですよね。コレでやりたい放題のクリーシーが笑顔で大団円だったら「ハリウッドってコレだからやだよー」という感想になっちゃったと思いますし。
・・・このラストだから逆に「最後まで暗くて救いがない感じ。胸糞悪ぅ〜」という感もある(笑) 微妙だよなぁ〜!どーすりゃ感動していい気分になれるんでしょ?
そもそも、このネタぢゃーどうヒネってもいい気分にはならないか?(爆)
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