監督:マシュー・パークヒル 出演:ガエル・ガルシア・ベルナル ナタリア・ヴェルベケ ジェームズ・ダーシー、他 オススメ度:☆☆☆☆−
【あらすじ】 辛い過去を背負ってスペインからロンドンに移住して来たカルメンは、裕福で心優しいバーナビーからプロポーズを受けて幸せの絶頂。独身最後のパーティーの席、フランスの「ヘン・ナイト」の儀式をレストランの店主に提案され、店で1番セクシーな男性客キットと口づけをした事でカルメンの心は大きく揺らぎ始める。キットにどんどん惹かれていく自分がいるものの、バーナビーとの結婚を決意したカルメンだったが・・・
【感想】 「天国の口、終わりの楽園。」や最近では「モーターサイクル・ダイヤリーズ」に出演し、その愛らしいつぶらな瞳でぴよのハートを鷲掴みにしてくれたガエル・ガルシア・ベルナル君登場の最新作。でも東京では「モーターサイクル〜」よりもこちらの作品の方が先に公開になってるみたい?名古屋では公開順序が逆になってますね。製作年はどちらも2003年。
おキレイなのはガエル君だけじゃなくて、カルメン役のナタリア・ヴェルベケ嬢も表情豊かで目ヂカラのある美しい女優さんですし(ぴよは彼女の事を全く知りませんでしたが)、優しい婚約者バーナビー役のジェームズ・ダーシー君も新進気鋭の美青年俳優さん♪(マスター・アンド・コマンダーに出てます。忘れちゃってたけど) 絵ヅラ見てるだけでも美しいものずくしで楽しい作品ですわ。
話は三角関係の恋愛ドロドロメロメロ劇・・・と思ってたら(相変わらずロクに下調べしないで映画見るヤツ)、ドびっくりするよーな展開のいわゆる「どんでんオチサスペンス」ってヤツでした。 映画を見始めた段階からずーっと「誰かの視線」で手持ちビデオカメラの映像が差し挟まれてて、「これは何かあるな」とは思ってたんだけど、最初のどんでんオチが判った段階で「なーるーほーどーねー!これはなかなかトリッキーに作られてて面白いぢゃん♪」と、サスペンス好きなぴよはウハウハだったんですけどネ、
何か消化不良・・・と言うか、キャラクターの肉付けとドラマ性が今一つ薄い感じがするんですよ。
バーナビーと結婚するのは、彼が資産家だからではなく彼の人柄に惹かれたからだ!と言い張るカルメンですが、誰がどーみてもバーナビーの資産目当てにしか見えませんし(エッチしてる時のあのやる気のない目は何なんだ?笑)、バーナビーのキャラクターの描き方が薄くて観客がバーナビーにイマイチ同情し切れない為に、どんでん返しオチが判った時点で「コイツにはしてやられたゼ!」というスッキリ感がないのが痛い。
更に文句垂れると、カルメンは偏執的で暴力的な男から逃れる為にマドリッドからロンドンへやって来たという設定で、映画冒頭から差し挟まれる手持ちビデオカメラの視線は「マドリッドからカルメンを追ってきた男」だと観客に誤解させるように仕向けてありますが、せっかく面白くなりそーな「マドリッドの元彼ネタ」がまるで生かされていません。 「謎の視線に怯えるカルメン」というオイシイネタがありながら、それが単なる「どんでんオチの伏線その1」にしか利用されていないので、ほとんどの観客が心待ちにしているであろう「いつマドリッドの男が出て来て大暴れしてくれるのかにゃ♪」という期待を、実にバッサリと切り捨てちゃってます(^-^;
まー・・あんまりネタを広げちゃっても収拾付かなくなっちゃうから、って事なんでしょうけど、だったらもう少し設定をシンプルにしてエピソードを減らして、バーナビーのキャラ作りに力を入れて見せてくれてもよかったよーな気がしますし、三角関係のそれぞれのキャラの心の動きだけに焦点を絞った方がどんでんオチがもっと生きたような気はしますだ。
と、散々文句垂れてますけど、見てる時はすんごく楽しかったっす♪(←どっちなんだヨ。苦笑) 少々トリッキーに作り過ぎた為にドラマ性に乏しくなってしまった、という欠点はあるものの、どんでん返しネタが好きな人だったら充分楽しめるサスペンスだとは思います。ガエル君、めっちゃくちゃ可愛いし♪
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