ぴよの映画めった斬りコーナー
ぴよが見た新作映画・ビデオ・DVDを個人的趣味でぶった斬るコーナー
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【ネタバレも含んでますので注意してねん♪】

2004年12月10日(金) ニュースの天才

監督:ビリー・レイ
出演:ヘイデン・クリステンセン
    ピーター・サースガード
    クロエ・セヴィニー、他
オススメ度:☆☆☆+


【あらすじ】
「THE NEW REPUBLIC」は唯一エアフォース1に設置されている、米国で最も権威ある政治雑誌だ。この編集部で最年少エディターでありながらスクープを次々と物にするスター記者、スティーブン・グラスがある日発表した「ハッカー天国」という記事。これを読んだ専門誌の記者から「架空のハッカーと企業ではないか?」という疑問が、着任したばかりで周囲になかなか受け入れてもらえない新編集長の所に寄せられた。真相を究明しようと新編集長はグラスと共に取材ノートの裏付けを取るのだが・・・


【感想】
1988年に実際に起こった事件を、ピュリッツァー賞受賞作家バズ・ビッシンジャーが「Vanity Fair」誌に記事を寄稿。この記事を元に脚本を起こして映画化したもの。製作にはトム・クルーズが名乗りを挙げ、主人公グラスに「スター・ウォーズ」シリーズでアナキン役を演じるヘイデン・クリステンセンを起用。

この映画のネタになった「記事捏造事件」って、報道当時の事をなんとなーく覚えてたんだよね。
当時の記憶は「何でもアメリカの雑誌記者が捏造記事を書いて問題になってるらしい」程度のモノですが、その時まず思った事というのが「別に珍しくもないじゃん。こんな事で大騒ぎしてたら東スポなんてとっくに廃刊だヨ」(苦笑)

脱線しましたが、本題。
映画はグラスが母校で「自分がいかにしてスター記者になったか」「ジャーナリズムとは」という講演をしているシーンから始まり、グラスの独白でジャーナリズムに対する熱き思いや、社内で最年少のスター記者でありながら同じスタッフに愛される為にどれだけ心を砕いているかをナレーションして行く。
そのグラスがどうして捏造記事に手を染めるようになってしまったのか・・・という彼の心理や、捏造記事を作り続ける裏舞台の様子を見せてくれる話だとばっかり思ってたらぜーんぜん違いました(^-^;

話は「グラス捏造記事事件」の真相を暴こうとするサスペンスちっくな部分と、新しく編集長に抜擢された男と周囲の軋轢、それによって苦悩する新編集長の心理的な部分をうまく絡めて見せて行くという手法を取っているのですが・・・

いつの間にか映画見てる内に、ぴよの中で主人公がグラスから新編集長になっちゃってました(苦笑)
少なくともこの新編集長の気持ちはすごくよく判るし、かなり魅力的なキャラクターでもある。映画見たほとんどの人はきっとこの新編集長に同調したり共感したり出来るでしょう。

ところがどっこい、肝心のグラスという記者にさっぱり共感出来ないし訳わかんないんだな。
最年少エディターにして他紙からも記事の寄稿依頼が来る程の腕前だったんだから、グラスという人は確かに非常に頭が良くて、尚且つ彼の書く文章というのは相当魅力的だったんだろうと思う。
それにしては、映画中のグラスの様子と来たら・・・いざ事が発覚しそうになるとパニくって目は泳ぎっぱなしで言ってる事は支離滅裂。挙句に新編集長に泣き脅しのダダこねまくりの困ったちゃん。とてもじゃないけど「THE NEW REPUBLIC」という権威ある雑誌社に就職出来る程のクレバーな人間に見えない(笑)
ヘイデンが悪いのか、それとも本当にグラスという人はこんなアホな泣き虫だったのか(^-^;

そういう訳でグラスにさっぱり共感出来ない分、逆に言うとグラスを取り巻く周囲の人達と新編集長との間の人間ドラマが非常にうまく表現されています。明らかに話のメインはグラスではなく、グラスの捏造事件に関わるハメになった周囲の人間模様が主軸だろうと思うんだけど。

だとすると、映画冒頭のグラスの講演シーンが浮くんだよねー。
コレさ、製作者側の狙いは「騙されたのは編集部だけじゃない。観客もまたグラスに騙された思いになってもらおう」くらいのモノなんじゃないかと思うんだけどサ、はっきり言って意味ないね。つーか空回りしてるネ(苦笑)

この冒頭のシーンがなければ新編集長が主人公として生きるのにぃ〜・・・って、主人公はグラスだったっけ?
あれ?どっちが本当の主人公なの?(笑)

話自体は相当面白いと思ったんだけどね。なぁ〜んか中途半端な作りで勿体無いなぁ〜って感じ。






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