監督:テリー・ツワイゴフ 出演:ビリー・ボブ・ソーントン トニー・コックス ブレッド・ケリー、他 オススメ度:☆☆☆+
【あらすじ】 アル中で女好きなどうしようもない堕落男ウィリーの仕事は、相棒マーカスと共にクリスマスシーズンのデパートでサンタに扮装してうるさいガキ共の相手をしてやる事・・・というのは表向きで、実は彼らは年末の売上金がたっぷり入ったデパートの金庫破りが本業だ。今年も目星を付けたデパートでサンタのバイトをしていると、デブのいじめられっこのガキに本当のサンタだと勘違いされて付きまとわれてしまう。最初は面倒だったウィリーだったが・・・
【感想】 シーズン物の定番「クリスマス」を題材にした作品は多い。本作はそんなクリスマスの奇跡を見て心温まる〜♪という常識を覆した「史上最悪のサンタクロース」が繰り広げる史上最高のクリスマスムービー・・・になるのか?! 主演はビリー・ボブ・ソーントン。この役は本来ビル・マーレーにオファーがあったそうだが、快諾したハズのマーレーが行方不明になってしまい(よくある事らしい?苦笑)、ビリー・ボブ・ソーントンにバトンタッチしたそーだ(^-^; プロデューサーはシニカルな笑いには定評のあるコーエン兄弟の名前がクレジット。磐石ですにゃ〜♪
で、この「史上最悪サンタ」を、ビリー・ボブ・ソーントンが怪演! 彼って「バーバー」や「チョコレート」等に代表される「寡黙で影を引きずる男」という役のイメージが強いと思うんだけど、確かに彼の顔ってちょっぴり労務者風(をい)だし、アル中で女好きの子供嫌いで人生の落伍者って役もアリだなぁ〜!と、この映画見て妙に納得。
ま、話の展開は予告編見た段階で見えてますわね。 ダメダメおやじがダメダメ子供と知り合って、妙にガキになつかれちゃって最初はウザいと思ってたんだけど、一緒にいる内にだんだんガキに愛着湧いて来て自分の中でも心境の変化を感じるよーになって・・・この映画見ながら思ったのは、設定も見せ方もまるで違うけど流れ的には「アバウト・ア・ボーイ(2002.8.21鑑賞)」と同じだよなー、という事。 少なくとも「ダメ男がいじめられっこのガキと一緒にいる内に心境の変化が起こって・・」というくだりは同じ。
ただ、バッドサンタのおやじは心境の変化が起こってもやっぱりアル中の女好き(笑) どう転がっても生来の堕落した生活態度は変わらないというのが、逆に面白いんだよね。 彼の巻き起こすとんでもない所業の数々だったり、サンタに扮装してガキに悪態付きまくるのは相変わらずなんだけど、でも酔っ払って充血した目の奥は意外に優しいんだヨ♪というのがこの映画のミソになってます。 それにしても相当シニカルだけどねー。こーいうのってやっぱコーエン兄弟得意だよなーって関心しちゃうネ。
映画冒頭は多少ダレるけど、ビリー・ボブ・ソーントンの演技は素晴らしい! 少なくとも子供と一緒にご家族揃って・・・という薦め方はとてもじゃないけど出来ませんが(苦笑)、大人向けで大人だけが見て楽しむ為のクリスマスファンタジーには出来上がってますヨ♪
決してサンタさんを信じる無垢なお子様と一緒に見ないで下さいナ(笑)
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