2004年12月04日(土) |
お父さんのバックドロップ |
監督:李闘士男 出演:宇梶剛士 神木隆之介 南果歩、他 オススメ度:☆☆☆☆−
【あらすじ】 「新世界プロレス」の看板レスラーとして長年頑張ってきた中年レスラー下田牛之助は、一人息子の一雄と共に大阪のボロアパートに引越して来た。妻が他界し、牛之助の父と同居する事になったのだ。一雄は運動会にも授業参観にも、そして母の死に際にも来れなかった父・牛之助とプロレスラーという職業が大嫌いでどんどん父子の溝は深まるばかり。牛之助は何とかして自分の思いを一雄に判って欲しいと、無謀な勝負に挑む事にするのだが・・・
【感想】 故・中島らも氏の同名短編小説の映画化。 本作にはらも氏もカメオ出演していて、らも氏出演シーンは結構コミカルなんだけどちょっぴりうるるん。 主役は本作に臨むに当たり過酷なトレーニングを積んで肉体改造を施したという宇梶剛士氏。息子の一雄役には「ハウルの動く城」でマルクルの声を担当した事でも記憶に新しい「今売り出し中の大本命子役・神木隆之介クン」 実言うと、ぴよはほとんどTVドラマを見ないので「神木クン=マルクル」という記号しかなく、どんなお顔のお坊ちゃんか知らなかったんですけどネ・・・いやぁ〜!この子めっちゃ美少年だねぇ♪(萌) マルクルの「待たれよ」ってセリフがかなりツボだったぴよですが、ご本人の愛らしさはそれ以上にツボですぅ♪
と、いきなり脱線してしまいましたが。 話はかなりベタベタな親子ヒューマンドラマです。ネタは格闘技ですがあくまでも話はヒューマン@泣かせ。
邦画らしい、もっと言えば邦画ならではの小細工の効いた脚本と演出で、ぴよはかなり好感を持ちましたね。 舞台が大阪ってのもベタベタなギャグに上手く絡んでいていいネ(言い忘れましたが原作は未見っす) 特に子供同士のネタは相当笑える。一雄は10歳という設定ですが、ちょっと背伸びをしたい・大人の世界をマネしてみたいお年頃で、女の子の体の不思議を語るエピソードなんて、大人の目から見ると可笑しいやら滑稽で可愛らしいやら! 南果歩演じる「てっちゃんのおかん」の「カビネタ」なんてスゴ過ぎるぞ!
コツコツ笑わせながらも、「親子関係ネタ」をソツなく丁寧にエピソードを繋ぎ、子を持つ親も独身の人にも誰もが思わずホロリと来るようなクライマックスの格闘技シーンを迎えるんですがね・・・
まーこの格闘技シーンはツッコミどころ満載です(^-^; 大体からして、あの体の違いで(映画中でも対戦相手を「筋肉の連合艦隊」なんて言ってるし。笑)相手から何度も延髄斬りやかかと落としモドキを食らってるのに、10カウントで立ち上がれるわきゃーないですから! 誰がどう見ても「脳みそぐちゃぐちゃ豆腐状態」のハズなのに、恐ろしい程のあっけない幕切れには「してやったり☆」と言うよりも「そりゃ、あり得ねーって!」と心の中で叫びまくり。
でもなー、猪木だってどんなにボコスコになっても「ブレーン・バスター」や「卍固め」一発決めだったし(笑)、少なくともこの映画は「プロレス映画」じゃなくて「ヒューマンドラマ」なんだし・・・と思えば、格闘技ファンも納得するしかないよね? 小さい事言うと、あのボロアパートから会場までってどれくらいの距離なのさ?TV見てて超ピンチ状態になったの見てからタクシー乗って間に合う距離って、それは一体ドコなんすか?とも思ったんだけどー。 (意外と細かい事をチクチク突っ込むタイプです。はぅ〜)
ま、でも子役もウマイしダレないし、それに・・・ 牛之助が語る「便所掃除当番」の話は、大人になった今聞いても(大人になってから聞いたから?)ジーンとしたし。 「自分が子供の頃にこんな風に語ってくれる大人がいたらなぁ」と思う人は多いに違いない。 ツッコミどころは多くとも、誰もがいい気分で席を立てる地味ながら良質なヒューマンドラマです。
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