2004年12月01日(水) |
モータサイクル・ダイアリーズ |
監督:ウォルター・サレス 出演:ガエル・ガルシア・ベルナル ロドリゴ・デ・ラ・セルナ ミア・マエストロ、他 オススメ度:☆☆☆☆−
【あらすじ】 1952年、アルゼンチンのブエノス・アイレスに住む23歳の医大生エルネスト・ゲバラ・デ・ラ・セルナは、7歳上の生化学者である友人アルベルト・グラナードと2人でバイク旅行に出発した。陽気なアルベルトと「フーセル(激しい心)」というあだ名を持つ真面目で一本気なエルネストの2人が選んだルートは、想像を絶する程過酷なモノだった。予定ではアルベルトの30歳の誕生日までにベネズエラに到着するハズなのだが・・・
【感想】 キューバ革命の指導者として世界中から今も尚愛され続ける革命家「チェ・ゲバラ」と、彼の生涯の親友となったアルベルト・グラナードが若き日に旅をした記録を元に製作された作品。 製作総指揮には名優R・レッドフォードの名前がクレジットされてますが、レッドフォード氏の名前はそれ程アピールされている感じはありませんね。つーか、彼の名前のある・なしで観客動員数を見込める手合いの作品でもありませんし(笑)
1967年にCIAによって暗殺(っていう訳でもないのか?)されたキューバ革命の父「チェ・ゲバラ」が、自分の人生を大きく変えるきっかけになった親友との長旅の様子を淡々と描くロードムービーなんですが、この手の作品はかなり「好き・嫌い」がパッキリ分かれるんじゃないかと思いますね。 ちなみにぴよはこーいう映画はかなり好き♪少なくとも旅行好き・遺跡好きの方なら絶対満足の一作。
チェ・ゲバラ達がマチュピチュを見下ろすシーンなんて、ちょっと感動してうるっと来ちゃったし! (これは彼らの様子に感動したんじゃなくて、単に遺跡の素晴らしさに感動したんだけどな。苦笑)
彼らの軌跡をかなり忠実に丁寧に再現しているみたいでしてね、彼らが辿り着いた先々でのエピソードを実に細かく見せながら、その時々でチェ・ゲバラが感じた事を彼の心の声としてナレーションしているんですが、正直言うと途中多少ダレる部分もあり・・・でも非常に丁寧な作りなので、チェ・ゲバラの一本気で融通が利かない真面目な性格と、静かな所作でありながらも内に秘めた情熱的な性質が観客に上手に伝わるように作られていて好感が持てます。
ただ、ハンセン病の施設に着いてからがちょっと長過ぎるよーな気がしなくもないんだなぁ・・・ もっとも、この施設でのやりとりが後の彼の革命家としての原点にもなるんだろうから端折る訳にもいかないんだろうけど、だったらこの施設に着くまでのエピソードをもう少しタイトにしてもよかったような気がするし。 でも本来この映画が描きたかったのは壮大な南米大陸の風景とそこに息づく人々の様子・・・ではなくて、彼らと交流して成長していくチェ・ゲバラご本人の様子なんだろうと思うと、まあ納得せざるを得ないと言うのか。 観客が楽しみたいモノがこの映画のどの部分なのかによって印象が違ってくるような気はしますね。
旅好きさんは映画前半を楽しみ、チェ・ゲバラという人間自体に興味がある方は後半を楽しみ。 「1粒で2度オイシイ作品」と言えば格好が付くけど、どちらかしか美味しく感じられないとどうしてもダレるんだな(笑)
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