監督:チャウ・シンチー 出演:チャウ・シンチー ユン・ワー ユン・チウ、他 オススメ度:☆☆☆
【あらすじ】 混沌と不安な時代の中国、こんな時代を闊歩するのは悪の力だ!と信じる町のチンピラ・シンの夢は、人々を震え上がらせる冷酷非道なギャング集団「斧頭会」のメンバーに入れてもらう事。とある貧民街のアパート「豚小屋砦」で「オレは斧頭会のメンバーだぞ!」とうそぶいて恐喝しようとしたシンは、貧民達に散々打ちのめされてしまう。だがこの事がきっかけでこのアパートにカンフーの達人がいると斧頭会の目に留まり、一斉攻撃を仕掛けられた豚小屋砦だったが・・・
【感想】 「少林サッカー(2002.7.1鑑賞)」で大ヒットを飛ばしたチャウ・シンチーの新作。 今作も監督、製作、脚本、主演とマルチに活躍してますが、アクション監督やCG効果は前作を凌ぐ世界&香港の巨匠達を取り揃えて、正に「満を持して」お届けの話題作ですヨ♪ なんてったってアクション担当にサモ・ハン・キンポーの名前がクレジットされてますからねー!それでなくてもぴよは前作の少林サッカーが超ハマッた口ですから、期待はいやがおうにも盛り上がるってー訳です♪
予告編からガンガンに飛ばす「ありえねー!」のコピーですが、確かにありえねーアクションの畳み掛けは今作も健在。むしろ前作の少林サッカーよりもアクションシーンの派手さは上回っていると思います。 結構オイシイ多彩なキャラも用意してて、ほとんどの人が「豚小屋砦」の大家夫人にはホレるでしょう(笑) あちこちに散りばめられたギャグも前作同様健在。アクションシーンでも笑わせ、下らない会話でも笑わせ、そしてやっぱりお約束のよーにお下劣なギャグ(これは日本人はちょっと引く手合いだけど)もバッチリ☆
だけど、ぴよははっきり言ってあんまり乗れなかった。 いや・・・結構笑ったりしてたんだけど、でも「なぁ〜んかなぁ・・」って気分だった。
少林サッカーが余りに衝撃的過ぎたんだよね。 「普通だったら絶対にウケそーにもないバカスポ根映画」が余りに今までにない斬新な作りで、そのチャウ・シンチーの第二弾だったらもっとスゴイ物が出てくるに違いないって期待し過ぎてたんだと思うんだよね。 って言うか、期待しない人なんていないでしょ?期待しちゃって当たり前だよね? あの作品を基準にすると、どうしても「なーんかダレるし失速気味って感じぃ〜?」という評価になっちゃう。
大体からして、主人公シンの活躍がほとんどないってのは(この展開では仕方ないけど)痛過ぎる。 逆にヘタレな部分で笑わせようという趣向だというのはよーく判るし、確かに相棒とナイフを投げ合ったりするシーンなんて大笑いさせてもらったけど、クライマックスギリギリまでヘタレだとダレるんだよね。
確かにそれも考慮に入れて、主人公がヘタレな間は脇キャラがちゃんと派手なアクションやったり笑わせたりしてくれるんだけど、それを主人公にやってもらいたいのが観客の心理だと思うんですよ。 いくら脇キャラが笑わせたりアクション見せてくれても、主人公に魅力を感じなければクライマックスは生きない。 ぴよは「チャウ・シンチーの弾ける魅力、そして彼のアクションとギャグの畳み掛け!」が見たかったんだ。
CG処理にマトリックスシリーズのスタッフを起用しているのが話題になるであろう事も、少林サッカーがウケた事で今作も映画館に観客が足を運んでくれるだろう事も、チャウ・シンチーは何もかも見越している。 だから少林サッカーやマトリックスのパロもソツなく入れて、映画好きを喜ばせようという計算もきっちり出来てるし、本当に頭のいい人なんだろうなぁ・・と思う。
それでもやっぱり少林サッカーを基準にすると評価は低くならざるを得ない。
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