ぴよの映画めった斬りコーナー
ぴよが見た新作映画・ビデオ・DVDを個人的趣味でぶった斬るコーナー
ぴよと意見が合わないからっていじめないでぇ〜ん!(^_^;)
【ネタバレも含んでますので注意してねん♪】

2004年11月17日(水) ハウルの動く城

監督:宮崎駿
声の出演:木村拓哉(ハウル)
      倍賞千恵子(ソフィー)
      三輪明宏(荒地の魔女)、他
オススメ度:☆☆☆+


【あらすじ】
魔法と科学が混在する世界のとある時代、亡き父が残した帽子屋を切り盛りする18歳のソフィーは、ある日「美女の心臓を食らう」と恐れられている魔法使いハウルと出逢った。実際のハウルはとても紳士でステキな人・・・たちまちハウルに魅了されたソフィーだが、ハウルを追い続ける「荒地の魔女」によってソフィーは90歳の老婆に姿を変えられてしまった。家を出たソフィーが成り行きで辿り着いたのは「ハウルの動く城」、彼女は家政婦としてここに住み込む事になったのだが・・・


【感想】
スタジオジブリの宮崎駿監督が送り出す待望の新作アニメーション。
宮崎氏の監督作品にしては珍しい(魔女の宅急便以来か?)、オリジナル脚本ではなく原作の映画化ですね。

まず本作で一番話題になり、かつ心配されていたのは「ハウルの声をキムタクがやる」事。
先に鑑賞した「2046(2004.10.25鑑賞)」でキムタクのナレーション聞いて腰が砕けたぴよは、ハウルの声がどーにもこーにも心配で仕方ありませんでしたが、これがどーして!なかなかハマっていて全く違和感なかったっすね。
つーか、原作のハウルがどういうキャラなのか知りませんが、少なくともこの映画は最初からハウルのキャラをデザインする段階で「声はキムタク♪」というのを想定して設定したんではないか?と思えるくらいイメージが合ってた。

ソフィーの声がな・・・
18歳と90歳の声を使い分けるのに倍賞千恵子サンは随分苦労されたんじゃないか?と思われますし、実際よく使い分けているなぁとは思うけど、やっぱ18歳にしては声にハリがないし90歳にしては声にハリがあり過ぎる(苦笑)

「原作を映画化する」というと、どうしても原作で語られる全てを映像化するのはムリなので、所々を端折ったり設定を変えたりしなくちゃいけなくなる。
そういう制約が付いてしまう事が百も承知で、何故宮崎氏は敢えて今「既存の小説の映画化」に取り組んだのだろう?

確かにこの作品は、氏が過去に製作して来た数々のオリジナル脚本作品が発し続けてきたメッセージやキャラクターの集大成のような作りになっていると思う。
しかし様々なキャラにまつわる「呪い」や「契約」が、「愛」によってのみ解き放たれるというのは、ディズニーの「お姫様モノ」のパクリっぽいし(そー言えばこの作品はディズニーも提携してるな。笑)、「オズの魔法使い」へのオマージュとも取れるキャラクターまで登場して、宮崎アニメの集大成なんだか既存の全てのファンタジーの集大成なんだか、ちょっとよくワカラナイ混沌とした設定になってますが。

もーちょっと言うと「原作の映画化」という枠に縛られて、脚本が練り切れずにエピソードが説明不足になっている部分を多々感じさせるのは余りに痛かった(>_<)

消化不良気味のエピソードと設定、そしてキャラクターグッズの売り上げ貢献を見越して作られたかのような、愛嬌があるだけでほとんど意味のないキャラクター(犬だヨ!あの犬!!)等のご出演。
「商業作品」「儲け主義」というイメージの色濃い作品になっているなぁ、という印象はぬぐえない。

映像の美しさもジブリの魅力ですが、充分及第点の付けられる素晴らしい映像になっていたとは思うものの、今まで数多く楽しませてもらった「ハッと息を飲む」程の瑞々しさというのは正直言って感じなかった。
空の描写だったら「紅の豚」の方が素晴らしかったし、鮮やかな草木の様子は「ラピュタ」の方がいい。
もっと言うと、CGを使うようになって少々絵に手を抜いてるんじゃないか?とすら思えてしまう。

CG技術によって今までセル画では表現し切れなかったモノを映像化出来るようになった事は素晴らしいけど、ぴよはやっぱりジブリの素晴らしさは「職人さんが手を抜かずに1枚1枚丁寧に仕上げたセル画の木目細やかさ」にあると思っていただけに、今作のキャラや背景の動きには少々がっかりさせられたというのが正直な感想。
ぶっちゃけ・・・今後は5年か6年に1度くらいのゆるやかなペースで全然構わないので、かつての「セル画ONLY」な作品をジブリさんには作ってもらえないだろうか?とジブリファンのぴよは思うんですが。
(CG使ったアニメーションは、どーやったってピクサースタジオには勝てないと思うんだよネ。苦笑)

と、随分酷評してしまいましたが・・・
コレはあくまでも「あの宮崎アニメ待望の新作」という前置きがあっての事ですよ。
(上記のオススメ度の☆の数も、あくまでも宮崎作品としての評価です)
勿論言うまでもないですが、子供が大挙して押し寄せるTVアニメの映画化作品なんかは足元にも及ばない素晴らしい出来になってますし、話も大人から子供まで老若男女誰もが楽しめる作品になっていますから!

それにしても、宮崎駿氏はいよいよ自分の作りたいネタがなくなってしまったんでしょうか?
もう引退なのかなぁ・・・ちょっと悲しいなぁ・・・そんな予感を感じさせる作品なのでした。








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