2004年11月16日(火) |
スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー |
監督:ケリー・コンラン 出演:ジュード・ロウ グウィネス・パルトロウ アンジェリーナ・ジョリー、他 オススメ度:☆☆
【あらすじ】 1938年ニューヨーク。突然空からロボット軍団が飛来して町を襲撃し始めた。野心溢れる新聞記者ポリーは、批難勧告の出ている町に繰り出してスクープ映像を狙う。危うくロボットに踏み潰されそうな所を助けたのは、彼女の元カレ「スカイキャプテン」だった。このロボット襲撃が頻発する科学者誘拐事件と関係があると掴んだポリーは、スカイキャプテンと共に真相究明とスクープゲットの為に遁走するのだが・・・
【感想】 全く無名の新人監督ケリー・コンラン氏が、自身の思い入れで製作したたった6分間の短編「The World of Tomorrow」という作品にプロデューサーが反応し、ついにはアンジー姐さん以下錚々たる顔ぶれが集まって映画化に至ってしまったという、正にアメリカン・ドリームな一作。当然だけど、脚本もケリー氏がフルで頑張っちゃってます。
先の6分間の短編を製作するのに実に4年という長い時間をかけたというケリー監督、とにかく映像にはこだわりまくったというのが痛い程判る作りになってます。 舞台を1938年という時代に設定したのも、レトロ感溢れる映像の中に「この微妙な時代から見た近未来」という「古臭いにも関わらず斬新な映像」を見せる為にチョイスされたんであろうというのは、どんなアホでも想像付く見せ方になってます。 最もその見せ方として安直に使われているのは「全編通してフィルムを劣化させたような色抜き」を施している事でしょう。
この色抜き技術に留まらず、「古臭いやり方なのに超斬新」というテイストは全編に渡っていて、映画中に次から次へと繰り出される派手な戦闘シーンは全てCG処理で作っていて、いかにも「デジタル世代」を感じさせる・・・別の言い方をすれば「映画技術の進化と変遷」を見せ付けられる作品だと思いますね。
しかしながら、評価出来るのはそこまでですわ(^-^; どこかで借りて来た脚本の繋ぎ合わせと、どこかで借りて来たキャラクター。派手な爆撃シーンを繋いで見せ場を絶え間なく作るものの先の見え切った展開。ワンパターンなアクションシーンの連続技でヒネリもない。 正直言ってあくびが出ちゃったもん・・・もっと言うと、実は映画の1/3くらいウトウトしてたもん(^-^;
ただね、ウケる人にはかなりウケる「マニア向けな作品」だとは思いますよ。 むか〜しからのゲーマー、それこそ初期型ファミコンやテープレコーダー時代のPCゲームにハマってた類のゲーマーの皆さんだったら、間違いなく「懐かし〜い!」と声をあげる事間違いなしのワクドキ☆感があるだろうと思うんすよね。 あの時代からゲームにどっぷり浸かった方々が、ロールプレイングゲーム(RPG)に散々ハマって、あのキャラクター達が初めてゲーム内で生き生きとアニメーションとして動き出した時の感動・・・そんなピュアな感動を、既に当たり前のようにゲームが3D化した現代に再び蘇らせた「リメンバー・感動」という作りになっていたと思うんすよ。
だから、マニアが喜んでくれればそれでいい作りだった・・・としか言いようがないんだけどサ(笑)
それにしても、どーしてアンジー姐さんはこの作品に出たんでしょう? 「アンジー姐さん、まだぁ?」って散々焦らされてさ、よーやく出てきたと思ったら「え?コレだけ!?」だもん。 もっと言っちゃうと、ジュード・ロウもグウィネス嬢も相当ぴよのお気に入り俳優なんだけどサ、既にハリウッド・セレブとして誰もが認める彼らがわざわざ総出演する程の脚本だとも思えなかったんだけどなぁ・・・
力量のある新人監督さんだとは認めるけど、今後彼が大成する事を見越した「青田買い」ってヤツなんでしょうかね?
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