監督:ジェームズ・ワン 出演:ケアリー・エルウェズ リー・ワネル ダニー・グローヴァー、他 オススメ度:☆☆☆☆−
【あらすじ】 老朽化したバスルームで覚醒したアダムとゴードン。彼らは部屋の隅と隅で太い鎖に繋がれて身動きが取れない。そして2人の間、部屋のほぼ中央に横たわる頭を拳銃で撃ち抜かれた自殺死体。彼らのポケットに入っていたテープを再生してみると、そこには謎の犯人からのメッセージ「生き残りたければ6時までに相手を殺せ」 誰が何のために?そしてどうして自分達がこんな目に・・・?
【感想】 2004年サンダンス映画祭オープニングムービーとして上映され、世界中のバイヤー激しい争奪戦を繰り広げたというソリッド・シチュエーション(状況設定)スリラー。何と日米同時公開だそうですが、日本でも米国公開版と同じく猟奇的な映像シーンをカットしたモノを公開するらしいっすね(ちょっぴり残念) 劇場公開版ではカットしてあるという噂の「とあるシーン」がそのまま入っていたので(試写会で鑑賞)、たぶんぴよが見たのはオリジナル版だったんじゃなかろうか?と推察。
基本的にはバスルーム(場所の特定は映画初期段階では判らない)内で繰り広げられる密室劇だけど、そこに至るまでの過程だったりこの密室劇と並行して起こる出来事なども見せる事で、観客の視界を広げてある意味ミスリードさせたり、観客に犯人探しのヒントを提示したり、はたまた混乱させようとしたり・・・様々な意図で目線を変える事によってダレない映像作りを工夫しています。
今日も何を書いてもネタバレしそうだ・・・(^-^; てな訳で、ここから先は未見の方はご注意下さい。(一応超ネタバレは文字白抜きにしておきますわ)
まずですネ、 ミステリー好き・サスペンス好きな人が犯人探しをする上でのセオリーとして、それがパターン化された連続性のある殺人事件の場合に一番注目する点は「今までの事件と違うシチュエーションや条件は何か?」という事なんですよ。 必ずそこにヒントが隠されているハズなんです。えぇ。これはもう鉄則中の鉄則。
で、ぴよが一番注目したのは【2人の間に横たわる死体】ですわ。これは今までのケースを考えると浮いている。 「前にも似たケースがあったじゃないか」とおっしゃる方がいらっしゃると思いますが、その過去の似たケースと絶対に違う部分がありますよね?そうなると逆にその「違う部分」がヒントになるのでは・・・
ここまで考えが至ると、ちょっと後の展開が見えそうです(笑) と言いつつ、実言うとぴよは犯人が最後の最後まで判りませんでしたけど(^-^;
それにしても、この映画はとても良く出来てると思いますね。 まずダレないし飽きない。推理材料の見せ方もウマいしミスリードの仕方もスマート。 映画見終わってからよくよく考えると、設定が明らかに破綻してる部分もポロポロ出て来るのですが、少なくとも映画見てる間はそれを観客に考えさせないだけの勢いとパワーがありましたもの。
R指定になってるようですが、それ程エグい映像はなかったように思いますけどね。 ただ映像よりも心理的にゾーッとする作りなので、精神衛生的には充分R指定なのかも・・・そう考えると、低予算と18日間という短い期間で撮影された自主制作に毛の生えたような作品なのに、これだけ観客を楽しませる事が出来たという点で、益々高評価しちゃいたいトコロです。
ですがー! 先に書いた「犯人が判らなかった」事の言い訳じゃないけどさー(←と書いた時点でもう言い訳か?涙) このオチ(つーか犯人)はちょっと卑怯じゃないか?と思うんだよね。 確かに「あっと驚く」んですがね、この驚きは「まさかこの人が犯人だなんて!」という驚きじゃなくて【「コイツがいつどーやってこんなに走り回って犯罪犯せるんだよー!フザけんなよー!」】という驚きな訳ですよ(^-^; この設定だとミステリーとして絶対に破綻してると思うもんっ 「ミステリー好き」を自称するぴよが犯人判らなかったからって、恥ずかしい事じゃないんだもんっ
あ。 でもこの映画、公式HP見るとソリッド・シチュエーション「スリラー」とは書いてあるけどソリッド・シチューエション「ミステリー」とか「サスペンス」とは書いてないわネ。 そか。スリラーであってミステリーじゃないんだから、これだけ楽しませてもらったらもう映画として勝ちなのか(笑)
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