ぴよの映画めった斬りコーナー
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【ネタバレも含んでますので注意してねん♪】

2004年10月20日(水) ピョンヤン・ダイアリー 1994-1997

監督:スールン・ホアス
出演:スールン・ホアス、他
オススメ度:☆+


【あらすじ】
ノルウェー人女流監督スールン・ホアスが、1994年と1997年のピョンヤン映画祭に自身の作品が招待上映された際に、彼女自身がインタビューと撮影をした「生・北朝鮮」のドキュメンタリー


【感想】
日本ではイラクと並んで注目してる国ですよね。
もっと言えば日本だけじゃなくて、常に国際社会の中で「北朝鮮」という国は注目され続けてるよね。
そんな北朝鮮の実際の町の様子は?国民の様子は?彼らの本音は?って部分に肉薄してればオイシイなー・・・と思ってレンタルして来た1本よ。

スールン・ホアス監督は、ノルウェー生まれだが幼少時代は神戸で過ごし、一旦本国に戻ったもののその後再来日して京都大学で演劇を学んだという才女らしいですわ。
その後はオーストラリアに拠点を移して、オーストラリア兵士と日本人妻の生活を追うドキュメンタリー映画「八重桜物語」を発表、更に同じ題材で女優の石田えりが主演を演じてドラマ化した「AYA・アヤ」が世界的に評価を受けたらしい。
ちなみにぴよはこれらの作品を全く知らなかったんすけどね(^-^;

で、「AYA・アヤ」と「八重桜物語」の2作品がそれぞれ1994年と1997年に開催されたピョンヤン映画祭で招待されて北朝鮮入りを果たし、なかなか行くチャンスがない国に堂々と招待客として入国出来るんだから、こんなオイシイチャンス逃してたまるものか!ドキュメンタリー1本作っちゃえ♪てな企画なんですわ。

意外と知られていないんだけど、北朝鮮には日本人も観光客としてちゃーんと入国出来るんですよ。
そういうツアーが探せばあるんです。大手の代理店では扱ってないかもしれないけど、色んなルートで北朝鮮入りして観光するツアーというのが存在してるんですよ。
そんな訳で、「実はそんなに北朝鮮に行く事自体は決して難しい事ではない」と知ってる人、もしくは既に北朝鮮に観光ツアーに行った事がある人が見ると「全然実際の北朝鮮なんて写ってないぢゃんか」という感想になります(苦笑)

彼女が写しているモノのほとんどは、「北朝鮮観光ツアー」に行った人なら誰でも目にする事が出来る。
北朝鮮という国は、かつての文化大革命時代の中国同様「外国人に見せていい場所」というのを決めていて、実際に貧しい生活をしているド田舎の一般市民生活居住区や国の恥部に触れるような場所への立ち入りを一切禁じているのですわ。
要するに「国として自慢出来る場所」にしか外国人は足を踏み入れる事が出来ないシステムなんです。

この作品を本当に「北朝鮮という国を題材にしたドキュメンタリー映画」にしようと思ったら、外国人観光客が決して足を踏み入れる事が出来ない地区に行って、「そこに実際に暮らしている北朝鮮人にインタビュー」していなければ意味がないように思うんですよ。
彼女がインタビューしている北朝鮮人というのは、自分の案内人と連れて行ってもらえた観光地にいるガイドさん、それから国外に商売に出れるような立場の人やピョンヤン市内居住の特権階級の人だけ。
それらしく町の様子や一般市民を撮影しているように作ってますが、アレはピョンヤン市内とそこに住んでいる裕福層の人ばかりですからねぇ。これではドキュメンタリーとはとても言えないシロモノですわ。

結局、今ニュース映像に流れる「北朝鮮」の様子以上のモノは何一つ見る事が出来なかったし、インタビューを受けてるかの国の方々のセリフも「ニュースで見飽きる程見聞きした」レベルを一歩も出ていませんでした。

この映画の製作年は1997年ですから、当時だったら多少は「へー!北朝鮮ってこんな様子なんだー」くらいは思ったのかもしれませんが、今ではもっと過酷な「本当の北朝鮮」の隠し撮り映像がチョロチョロ流出していますから、とにかく映像とインタビューの様子を見ながら「アホくさー」くらいにしか思えなかったというのが正直な感想ですわ(^-^;

これはドキュメンタリー映画と言うよりも、ただの「北朝鮮旅行記ビデオ」程度のモノですな。
外国人立ち入り禁止地域の映像&インタビューが撮れてれば評価出来るんだけどなー・・ま、そんな地域に入れる訳なきゃ撮影出来る訳ないし、何よりもしそんな映像があったら今頃彼女は間違いなく「消息不明」になってるだろうしネ(爆)







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