2004年10月18日(月) |
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監督:ペク・ウナク 出演:キム・ソックン パク・サンミン ペ・ドゥナ、他 オススメ度:☆☆☆+
【あらすじ】 ラッシュ・アワーのソウル地下鉄が乗っ取られた!犯人は元・国家機密諜報機関の工作員ギテク。政府から追放されて家族も殺されたギテクは、復讐の鬼と化して政府に無謀な要求を突き付けて来た。 その地下鉄車両に密かに潜入した刑事チャン。彼もまた最愛の恋人をギテクによって殺された恨みを持ち、彼を追い続けていたのだ。更にはチャンに密かな思いを寄せる女スリ・インギョンも乗り込んで、巨大爆弾を積んだ車両は原子力発電所へ向けて暴走を続ける。人質はソウル市民1300万人、この絶望的状況を回避出来るのか!?
【感想】 「シュリ」の脚色と助監督を務めて注目されたペク・ウナク氏の初監督作品。脚本も手掛けてます。 本作、韓国で公開直前の2003年2月に韓国・テグで地下鉄大放火事件が発生し、200人近い人が犠牲なった事で公開が延期になり話題になりましたよね。
本作のネタ、「車両を乗客ごと乗っ取り爆弾を仕掛ける→ある条件下で爆弾が爆発する」という展開でまず直ぐに思い出すのは、'75に公開になった邦画パニックサスペンスの名作「新幹線大爆破」でしょう。 ちなみに「え?新幹線大爆破ってナニ?そんな古い映画知らなぁ〜い」とか言わないよーに。 ぴよがマジで傷付きます(^-^;
で、本作ですが「新幹線大爆破」に非常に酷似しています。爆弾が脅しではない証拠に別のモノを爆破させて見せるくだりも、問題をクリアしても次々に障害が出て来る所も「新幹線大爆破」と同じ。 ただしキャラクターの設定は本作の方が手が込んでいて、まず犯人は営利目的でないという事、それから犯人側の事情と追う刑事側の事情、更にそれを取り巻く人々の事情等が細かく設定されていて映画中で見せて行きます。
という訳で、少々ごちゃごちゃし過ぎです(笑) もう少し人間関係をシンプルに作っても問題はなかったんじゃないかと思うのよね。登場する脇役にまでコッテリとエピソードを盛り込んでいるので、上映時間(116分)以上に長く感じる・・・要するに少々ダレる。 特にお涙頂戴系のエピソードが大好きな韓国映画、とにかく泣く!泣く!男も泣く女も泣く。これが韓国映画の醍醐味と面白さだと言われたらおっしゃるとーりですが、もう少しだけストイックに作っても充分面白いと思いますけどネ。
とは言え、なかなか面白い作品だと思うし、見せ場てんこ盛りで映像的にも邦画では到底太刀打ち出来ません。 本当にここ数年で韓国映画は飛躍的な進化を遂げていますなぁ。CGの使い方も映像の構成も、臨場感や迫力もハリウッドと充分肩を並べられるスケールだと思いますわ。
クライマックスはなかなか面白かったし(最初に何故車両を切り離さなかったのか?という疑問は置いといて。笑)、あのシーンの「泣かせ」は充分観客にアピール出来てると思うな♪ちなみにぴよは泣けなかったけど(をい)
後は脚本段階で「しつこ過ぎるエピソード」を大胆に端折る勇気が持てたら(苦笑)韓国映画は最強でしょう。
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