監督:フィリップ・カウフマン 出演:アシュレイ・ジャド サミュエル・L・ジャクソン アンディ・ガルシア、他 オススメ度:☆☆☆
【あらすじ】 サンフランシスコ市警の殺人課捜査官に昇進したジェシカ。新しく相棒になったマイクと共に殺害現場に急行したジェシカは被害者の顔を見て戦慄した。被害者は数日前にバーでひっかけて一夜を共にした男だったのだ。 恐ろしい連続殺人事件は更に続く。その後発見される死体は全てジェシカがベッドを共にした男ばかりだったのだ。しかも彼女は酒を飲むと記憶を失ってしまうし、翌日起きた時には覚えのない傷が顔に出来ていたりする・・・果たして自分は記憶のなくなった間に殺人を犯しているのだろうか?
【感想】 久し振りに王道サスペンス「犯人探しモノ」の登場。 ぴよは犯人探し系って大好きなんだ〜♪元々推理小説大好きで読み漁ってるクチだし、「驚愕のラスト!」なんて言われた日にゃ〜期待度も高まる!高まる! しかもキャストがめっちゃ豪華!主人公ジェシカ役のアシュレイ・ジャド嬢はそれほどメジャーでもないけど、彼女の相棒マイク役はその流し目だけで女を妊娠させると評判の(そんな評判ねーって。苦笑)フェロモン兄貴アンディ・ガルシア、ジェシカの後見人のような役回りの殺人課部長役はサミュエル・L・ジャクソンですぜ♪
で、結果から言いますと 映画序盤キャストが出揃った所で犯人が誰かわかっちゃいましたー(爆) あんまりここで書くと、映画見る前に誰が犯人がわかっちゃう人も出てくるかもしれないんだけど、大体犯人探しモノというのはセオリーがあるんですよね。だからミステリー小説を読み慣れてる方、もしくは映画を見慣れてる方なら動機まではわからなくても犯人は直ぐにわかっちゃうでしょう(^-^;
さてそんな本作ですが、そこそこトリッキーに作られているので結構楽しめたかな?というトコロです。 評価したいのは、上映時間が1時間半ちょっとくらいの短い作品にまとめてあるという事。最近のサスペンス物はやたらにトラップをかけたいのか?無意味なエピソードやカットを多用して(でもぜんぜん惑わされない陳腐なヤツ)時間ばっかり引っ張って間延びしてる作品が多いですが、この作品にはほとんどそういう「無駄なトラップ」はありません。 だからサクサク話が進むし、人間関係も割りとすっきりしていてダレずにラストのオチまで楽しめます。
褒め言葉はこの程度にして(謎) なんだかなぁ〜と思う点は、上映時間が短いという事です・・・って、「おいおいさっきの全く逆言ってんじゃないかよー!」というツッコミが入るのは百も承知(^-^; 要するに、時間短い分キャラクターの描き込みが薄いというトコロですかね。特にアンディ・ガルシアのキャラはただ怪しいだけで面白味が全くない。加えて言えばサミュエル演じる殺人課部長というのはジェシカの父親の元相棒という設定なのですが、ジェシカの父親との関係やジャシカファミリーとの繋がりの濃さをもう少し丁寧に見せてくれた方が観客が納得出来ると思うんですけどネ。
それより1番の問題はジェシカのキャラクター設定だったように思うんすよ。 ジェシカは幼い頃、当時殺人課の捜査官だった父親が母親を殺して自殺したという過去を持っていて、そのトラウマが原因なのかアルコール依存症になっている。更には女性特有のヒステリーなのか?カッとなると感情の抑制が効かず、直ぐに自慢の暴力に訴え出る。それを「自分にも父親の血が流れてるから?」と自問自答。 ・・・言っちゃ〜何だけど、ここまで直ぐに暴力振るうオンナっていくらなんでもいないでしょ。
もっと問題なのが、本人意識的に努めて自己を律しようとしているような雰囲気をプンプン漂わせているクセに、何故か男の事となると夜な夜なバーに繰り出して男漁りをする超尻軽のヤリ魔だという事か(笑) この部分が彼女のキャラから完全に浮いてるんだよねー。浮いてるんだけどこういう設定にしないと連続殺人の被害者を次々と用意出来ないから仕方ないって事なのかなぁ?うーん。この設定だけはもうちょっとウマイ手はなかったのだろうかと悔やまれますな。
まーツッコミ出したらキリがないんですが、サスペンス物というのはどうしても謎解きが中心になるので不可解だったり説明不足気味になりやすいと思うんすよ。そういう意味ではこの作品は最低限観客に謎解きさせるのに必要な材料はきちんと提示してありましたので、サスペンスの脚本としてはなかなかの秀作だったとぴよは評価しますけどネ。
ただ、どんなに高級な和牛でも「骨だけ」じゃー味わえない。 脚本は面白くても、肉付けが弱くキャラクターに魅力のない作品というのは映画としていかがなモノなのかと(^-^;
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