監督:レア・プール 出演:ウィリアム・ハート マーク・ドネイト パスカル・ブシェール、他 オススメ度:☆☆−
【あらすじ】 10歳のピート少年は末期の脳腫瘍で余命いくばくもない状態だった。そんなピートの夢は、南米に生息している美しい青い蝶「ブルー・モルフォ」を捕まえる事。ピートの母親は、彼が尊敬する昆虫学者アランに「南米に連れて行って欲しい」と懇願するが、アランに「ブルー・モルフォを採集するには時期が遅過ぎるし車椅子の少年にはムリだ」と断られてしまう。 しかしピートの並々ならぬ情熱と決意を知ったアランは、何とかしてこの少年の最後の夢を叶えてやろうと、ついにピート母子を連れて南米に行く事を決意したのだった。
【感想】 10年程前に実際に起こった奇跡の物語を映画化したもの。 予告編見てかーなーりー期待していた一作で、しかもその後TV番組「奇跡体験!アンビリーバボー」でもこの話が取り上げられていて、ピート少年のモデルになった方や実際の昆虫学者さんのインタビューも放送されましてネ、いやがおうにも気分は盛り上がるっちゅーモノですわ♪
そんな訳で、ぴよが期待し過ぎたのがよくなかったのかもしれません(謎)
この作品、実に中途半端な作りだったんですわ。とほほですわ。 まずからして登場するキャラクターのどれもこれも魅力なさ過ぎなんですわ。「魅力がない」というよりも「人間味がない」とでも言うのか・・・特に主人公のピート少年。余命いくばくもない末期癌の少年なのにまるで危機感や悲壮感がなく、まるでハイキングにでもやって来たかのようなお気軽な印象を受けるというのは余りに痛い。
更にピートのママがまたとんでもないキャラで、相当ムリ言って連れて来てもらったクセに、ヘビがキモいだの汚いだの臭いだの(そこまで言ってねーか。笑)文句垂れまくって大騒ぎ。ついには息子に「オマエが騒ぐと青い蝶が出て来ねぇよ!」と三下り半を付き付けられ(苦笑)、それでも自分の何が悪いのか全く判ってないというていたらく。 実際のこの少年の母親がどんな方なのか存じませんが、この映画見たら憤怒に耐えないんじゃないでしょうか(^-^;
キャラはともかく、話の構成がマズイと思うんだよなぁ。 この物語は「末期癌の少年と彼の情熱に動かされた昆虫学者が、苦労の末に南米で神秘の蝶を捕まえる」という事と、それによって少年の癌が消えて治ってしまったという奇跡の物語だったハズ。 キモは「青い蝶を捕まえる」という感動シーンに集約されるモノだとばっかり思っていたのに、肝心の青い蝶を手に入れるくだりがアレでは一体ドコに感動していいんだか訳わかんないじゃないか!
この映画のどこからどこまでが事実に則しているのかぴよは知らない。もしかしたら事実もこの通りなのかもしれん。 仮にこの展開が事実だったとしても、少なくとも映画では大胆に脚色してピート少年が自力で青い蝶を捕まえなければ、更に少年が青い蝶と出会う時はもっとドラマティックに青い蝶が登場してくれなくちゃ、観客に対して「少年が青い蝶と出会った事で神秘体験(癌が消えた)をした」という感動が伝わらないと思うんだよね。 ラストなんて「なぜだかボクはまだ生きている」って・・・それだけかいっ!(^-^; アッサリし過ぎだっちゅーの!アッサリっつーか何のヒネリもないっつーか、もうちょっと何とかならんのかい!
救いは美しい南米の自然と昆虫・動物達の様子か・・・って、コレも「HNKスペシャル」や「世界ふしぎ発見」の方がよっぽど生き物や自然の捉え方が巧みだよなぁ〜という程度ですし。 しかも話の中にこれらの映像が全く絡んでない。唐突に映画中に映像を挟み込んでるだけじゃ芸がなさ過ぎでしょ。
ネタ自体かなり感動出来る(泣ける)話のハズなのに、どうしてこの製作スタッフは素人でも思い付きそうな簡単な演出すらしなかったのだろうか?ぶっちゃけ「アンビリーバボー」を見た時の方がよっぽど感動したわよ(^-^; きっとフジテレビがこの映画作ったら、これでもかー!としつこいくらい泣かせで感動的な演出してくれると思うわネ。
フジテレビさん、この映画のリメイク権買いなしゃい(爆)
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