監督:ジャン=ジャック・アノー 出演:ガイ・ピアース ジャン=クロード・ドレフュス フィリピーヌ・ルロワ=ボリュー、他 オススメ度:☆☆☆+
【あらすじ】 1920年代、カンボジアの密林に仏像を求めてやって来たイギリス人冒険家・エイダンは、あるトラを撃ち殺した。このトラには2頭の子トラ(クマルとサンガ)がいたのだ。やんちゃなクマルはサーカス団へ売られ、おとなしいサンガは総督の幼い息子が引き取るものの、ある事故がきっかけで息子と引き離されて、父親の手によって知事へ献上されてしまったのだ。 それから1年後に数奇な運命を辿ったこの子トラ兄弟は再会する。それはトラの決闘遊戯の対戦相手だったのだ。
【感想】 「小熊物語」で動物ファンの心を鷲掴みにしたジャン=ジャック・アノー監督が、他のジャンルの作品も撮ってみたもののどーにも売れないので(をい)、初心に戻って得意な動物モノで返り咲いて来た一作。 と、エラソーに書きましたが、実は予告編見た時には勝手に「ディズニー映画」だと勘違いしてました(^-^; (だってこーいう類の作品って大抵ディズニーじゃない?苦笑)
この作品が決してディズニー物ではない、ディズニー物とは明らかに違う部分というのは「動物に喋らせない」という事だと思うんすよ。この作品がもしディズニー映画だったら、間違いなく子トラのクマルとサンガがド喋ってる事でしょう。 そーいう卑怯な手を使えば簡単に説明出来る「トラさん達の心情」を、敢えてセリフなしに表情や動きだけで見せてくれたという部分は、ぴよ的にかなり高評価です♪
とは言うものの、あくまでもトラ達の心理描写は「人間が思う所のソレ」ってヤツでして(笑) これがツボにハマる人はサイコー楽しい1作になるのは間違いないです。実際ぴよも結構ツボにハマったクチで、トラさん達見ながら心の中で勝手にアテレコしまくってたんすけどネ♪(でもコレって大抵の人がやると思うヨ)
特に中盤のクライマックス、クマルとサンガがお互い兄弟とは気付かずに決闘するシーンはスゴイ! やるかやられるかの死闘を繰り返し、いよいよ!というトコロで2頭の目が合った時にお互いの目を見て去来した過去の幸せだった日々・・・このシーンは泣ける!と言うか、出来過ぎで笑える!(爆) お互いが兄弟だったと判った瞬間からの「子供時代に戻った俺ら」の様子の微笑ましさったらサイコーっすよ!
妙に人間臭い感情表現のトラ達ですが、やってる事はネコ科ならではの動きだったりして、それがまたネコ好き心を刺激してくれちゃってねー・・・この監督さん、動物モノ映画(もしくはネコ)が好きな人の心理を非常に上手について来る方だとお見受けしましたが(笑)
と、動物好きゴコロを存分に刺激してくれる本作ですが、地味に人間も登場してるのでチェックしなくちゃいけません。 主演のガイ・ピアース(実は結構好きだったりするサル顔俳優♪)、相変わらずサル顔がイケてる中途半端なトレジャーハンター役です。上には「冒険家」と書きましたが(公式HPがそーいう位置付けをしてたので)、発掘前のカンボジア・アンコールワットの仏像を片っ端から盗掘する、遺跡好きのぴよを激怒させる相当感じ悪いヤツです(^-^; 彼の理屈「誰の目にも触れずに朽ち果てていく遺跡なら、せめて俺が掘り出してその美を周知に晒してあげよう」←ここまで感じ悪い言い方はしてませんが、ぴよにはそう聞こえたってー事です(苦笑)
遺跡好きに言わせてもらえば「人目に触れずに朽ちて行く遺跡は、そのまま朽ちさせてあげて下さい」 遺跡というのは、作られたその場所にあるからこそ価値がある。仏像の頭だけを切り取って人様に見せる、ましてやそれで金儲けをしようなんてーヤツに、こんな大層な理屈付けられたらたまったもんぢゃーねーよっ!ってな感じです(怒) 風化して朽ちて行くのは仕方のない事。だってそういう歴史を経てその仏像は「遺跡」になったんですから。
・・・と、映画の内容と全く関係のない事をつい熱く語ってしまいました(^-^; 少なくとも「動物映画」としてはかなりの秀作です。 かなりクサい&あり得ない展開のオンパレードですが、そんなモノは気にならないくらい動物好き満足度は高いハズ!
|