監督:マイケル・マン 出演:トム・クルーズ ジェイミー・フォックス ジェイダ・ピンケット=スミス、他 オススメ度:☆☆☆+
【あらすじ】 マックスは12年間真面目に勤務しているタクシー運転手だ。今日乗せた客は敏腕女性検事のアニー。どうやら仕事でストレスを抱えているらしい彼女を励まして、彼女から名刺を貰ってちょっぴりウキウキ♪彼女を下ろした直後にタクシーに乗り込んで来たのはヴィンセントと名乗る中年の男だった。彼は今夜中に5件回りたいからこのタクシーを貸切にして欲しいと、法外な金額を提示して来た。気を良くして取引に応じたマックスだったが、実はヴィンセントは腕利きの殺し屋だったのだ!
【感想】 トム・クルーズ主演最新作の本作は、「中年の殺し屋でしかも悪役」という今までにない設定の役柄に挑戦!と話題に事欠かない一作。既に予告編やポスターも出回ってますから、トムの無精ヒゲ+白髪頭に驚いたファンも多い事でしょう。 何でもジャパンプレミア試写会ではトムが5000人の観客と握手会をするとかしないとか?
タイトルの「コラテラル」と聞いてまず思い浮かんだのは、2002年に公開になった「コラテラル・ダメージ(2002.4.11鑑賞)」 コチラの作品の感想で「コラテラルの意味は『テロや武力行使による2次的災害』の事です」と書きましたが、今作ではそういう意味ではなく「とばっちり・巻き添えを食う」というような意味合いで使われているようです。 (少なくとも作品中、字幕を付けた戸田奈津子サンはそのよーに翻訳してらっしゃいました)
要するにタクシー運転手がたまたま乗せた客が殺し屋で、ソイツの巻き添え食ってエライ目に遭っちゃったヨ!という、これはあくまでもタクシー運転手側の視点に立った撮り方をしている作品という訳です。 だから簡単に言うと、この作品の主人公は殺し屋役のトムではなく、タクシー運転手役のジェイミー・フォックスという訳なんですネ・・・って、コレもまた以前トムが冠になってた作品「ラスト・サムライ」と同じパターンじゃないか!(笑) よーするに、トムは「決して主人公ではないが主人公を食うような役がお好き♪」って事なんでしょうか?(^-^;
てな訳で本作ですが(前置きが今回も長かったなぁ〜!すんまそん!!) 結果的に言うと、トムはジェイミー・フォックスを食えませんでしたネ。トムが冠の本作ですが、やっぱりオイシイのはジェイミーの方だったという悲しい結果に終わってしまいました(爆)
ネタは「オチは見えててもスリリングで見せ場が多いサスペンス」というカテゴリになるんじゃないかと思うのですが、決してアクションシーンが派手とかカーチェイスがスゴイとか、はたまた火薬多用で爆発しまくるという見せ場ないです。 作品の重点を置いている部分は、あくまでもアクションやサスペンス部分ではなく、タクシー運転手のマックスと殺し屋ヴィンセントの2人が会話しながらお互いを制しようという、丁々発止の心理戦部分だと思われます。 ある意味「密室劇」に近い物がありますね(決して密室劇ではありませんが)
てな訳で、ハリウッドお得意の強引な展開がズラズラと続いてツッコミどころ満載なんですが、特に派手なアクションもないのに意外とダレずにグイグイと話に引っ張られて、何となくそれなりに楽しめちゃったりしたのが不思議でした。 (何言ってんだか訳わかんねーなー。苦笑)
トムは今回最後の最後まで身も蓋もない悪役に徹していて、ある意味期待を裏切ってくれましたネ! 今までのハリウッド作品の経験則から行くと「大物役者が悪者を演じる時は必ず最後はいいヤツに寝返るハズ・・一体いついいヤツに転換するのかなー?」と思って見ていたんですが、結局最後までワルを貫いてくれたのは嬉しかった♪ きっとトムも「今後のオレの役者人生の中で、悪役も出来る幅の広い役者だとアピールしなくちゃ!」という思惑で、今作の役を引き受けたんだろうと容易に想像が付くのですが・・・
結果的に言うと、「トムの顔はやっぱり悪役には向かない」という事を、世界中の方々に知らしめる結果になってしまったんではないかと思う訳ですわ(苦笑)
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