監督:M.ナイト・シャマラン 出演:ホアキン・フェニックス ブライス・ダラス・ハワード エイドリアン・ブロディ、他 オススメ度:☆☆☆+
【あらすじ】 深い森に閉ざされたある小さな村。ここは人々が自給自足しながら助け合う楽園だった。村に隣接する森には魔物が住んでおり、人を食うので決して森に入ってはいけないという掟があった。魔物と村人はお互いの地を脅かさない代わりに危険な目に遭わせないという契約を結んでいたのだ。 だがこの村に住む実直な若者ルシアスが、村の子供が病死した事がきっかけで、今後この村の病人を助ける為に禁断の森を抜けて「町」に薬を取りに行きたいと言い出したのだ。
【感想】 「シックス・センス」で世界中の大絶賛を浴び、「アンブレイカブル」ではアレ?と思い、そして「サイン」で完全に腰が砕けまくっちゃったシャマラン監督の最新作ですよ。いや、サインもウケる人にはウケてたみたいなんですがネ(^-^; そんな訳で、期待半分・脱力気分半分で鑑賞。
基本的にシャマラン監督は「シックス・センス」がウケ過ぎちゃったのがよくなかったと思うんすよ。 この作品のバカ売れ状態によって、すっかりシャマラン監督に「サスペンスの大家」「どんでん返し王」というレッテルが貼られてしまい、そのお陰で彼は映画制作に臨むにあたり「何かどんでんオチを入れなければ!」という、ワケのワカラナイ縛りが出来てしまったよーに思う訳です。 いや、それはぴよを含む多くの観客の誤解と偏見でしかないのは重々承知してます。だから今回は「たとえオチがサイン状態でも絶対にぴよは怒らないゾ」と固く心に戒めて鑑賞しましたってば(苦笑)
(以下、もしかしたらネタバレ?になるかもしれないので未見の方はご注意)
それにしても【赤い頭巾被った「ナマハゲもどき」】が登場した時は「うっわー。またサインの二の舞かよー」とハラハラしたぴよですが、さすがに今回はそんなアホな展開ぢゃーなかったです。 あんなお粗末なモノ見せておいて大マジメに【「これが魔物です!本当にいたんです!」】なんて言われた日にゃ〜アータ、たぶん観客の8割は途中で怒って席立って出てっちゃうでしょ(爆)
今作、かなり辻褄が合うよーに工夫されてましてネ、例えばぴよがこの村最大の疑問だった部分・・・【村人は森に入らないだろーから秘密は守られるだろーけど、どーして「町」からは誰も森を抜けてこの村に来ないの?】という謎が、「はー。なるほどネー!これならかなり強引だけど納得出来るわー」というオチになってましたよ。 これだけでもこの作品はぴよ的に「サイン」よりも高評価ですよ(笑)
って言うか、全く期待してなかったせいなのか?実は「結構面白いぢゃん」って思っちゃったんだけど!!
絵の見せ方がウマイんだよね。村人が家畜の生皮剥がされた死体を見つけた様子なんて、ギャーギャー騒ぐんじゃなくて無言で固まってるだけなのよ。コレってヘタに悲鳴上げられるよりもよっぽど見てるこっちは恐怖感煽られますわよ。 赤が禁忌色で黄色が安全色っていう設定も(実は全く意味ないんだけどなぁ。苦笑)、映像的にとてもキレイだし観客の恐怖心を煽るのにとても効果的だったと思う。
ヒロインのアイヴィーを演じたのは、この作品が映画ではメジャーデビューになるブライス・ダラス・ハワード。 彼女、あの「ビューティフル・マインド」でアカデミー賞監督になったロン・ハワード氏のお嬢さんなんだそうですが、地味ながらも非常に愛らしく、更に演技も大物俳優顔負けの風格。今後の彼女の出演作は要・チェックかもしんないっすヨ♪ 更に「戦場のピアニスト」でオスカー俳優になったエイドリアン・ブロディが知的障害のあるキワモノ役で登場。相変わらずお上手ですが、知的障害がある割にやる事がかなり理路整然としていて尚且つかなり陰湿。 彼のキャラクター設定がぴよにはよく理解出来なかったんですが、彼は実は知的障害じゃなかったって事なの???
と、色々ツッコミ出したらキリがないシャマラン監督作品ではありますが、この作品は結構イケてるんじゃないの? 要するにシャマラン監督は「どんでん返し王」ではないのです。 そこんとこをちゃーんと理解していれば、ちゃんとしたホラー・ファンタジーとして楽しめると思うんだけど・・・
って、またすっごい微妙な書き方しちゃったネ。だって本当に微妙な作品なんだもーん(^-^;
|