2004年09月03日(金) |
MASK DE 41<マスク・ド・フォーワン> |
監督:村本天志 出演:田口トモロヲ 松尾スズキ 筒井真理子、他 オススメ度:☆☆
【あらすじ】 倉持忠男41歳は自動車会社に勤める万年サラリーマン。妻はフラワーアレンジメントに夢中で娘2人は反抗期でロクに親と口も聞いてくれずに家庭崩壊寸前状態。家庭に自分の居場所がない忠男にとって唯一のオアシスは、プロレス仲間が集まる「カフェアリーナ」で仕事帰りに一杯やる事だけだった。 そんなある日、会社から南アフリカへ転勤の話を持ちかけられた。要はていのいいリストラだったのだ。家庭にも会社にもやるせない不満と怒り爆発の忠男は、家族にも内緒で会社を辞めてプロレス団体を作る決心をしたのだ。
【感想】 長くCM監督を勤め続けた村本天志氏の、長編映画監督デビュー作。 一捻りあるB級作品ではスタメン的俳優(←一応ヨイショしてるつもりなんだけど。苦笑)田口トモロヲ氏が、1年に渡り専属トレーナーについて肉体改造を施し、体重を13.5kgも増やして正に「闘魂」を自ら体現してみせた渾身のプロレス映画! なんとクライマックスのプロレスシーンは、本当に田口氏がスタントなしでやりこなしているそーですヨ!
さてそんな本作、出演してる役者がかなりクセのある面白い役者さんや(役者じゃない人も出てるけど)、最近注目されて来てぴよ個人的にも「今後来るか!?」と密かに注目していた役者さんがゴロゴロ出てたりします。 特にぴよが注目したいのは、主人公・忠男の2人の娘役。伊藤歩ちゃんと蒼井優ちゃんの2人は共に自他共に認めるロリコン監督・岩井俊二氏(をい)のお気に入り女優さんですが、岩井氏の作るフワフワした少女感とは全く違うリアルで辛らつなイマドキの女の子を2人共好演しています。 脇を固めるメンバーも松尾スズキや小日向文世等の劇団出身の役者を起用、監督さんの好みが如実に出てますわネ
てな訳で(どんな訳?) 正直言って話自体はよーわからん話でした(^-^; 結構丁寧に作られてて、CM監督出身だけあってカット割りとか映像の作り方は面白いんですよ。 フラワーアレンジにハマってる妻が、生活の不安や夫への不信感からぷち狂ってく様子なんて、絵的にもすごくキレイだし面白いなぁと思って見てたんだけど、要するにエピソードが消化不良っぽいっていうのかな?ちょっと詰め込み過ぎな感じがしたんだよね。
忠男と妻は共に再婚同士で、2人の娘はそれぞれの連れ子。更に忠男には前妻が引き取った長男がいるという設定なんだけど、別にここまで複雑な人間関係にしなくてもよかったんじゃないかなー?と思うんだよね。 長女(忠男の連れ子)が次女に義母との確執について語るくだりがあるんだけど、ぴよにはこのエピソードが何を意味していたのかさっぱり判らなかったし、人間関係が複雑な分エピソードが増え過ぎて、どれもこれも収拾着かない間延びした感じがしたんですけどネ。
プロレス魂を見せてくれるくだりは面白かった。ぴよはそれ程プロレスに興味はありませんが、プロレスに興味がない人が見ても忠男達のプロレスに賭ける情熱はよく伝わるし、クライマックスのプロレスシーンは手に汗握る迫力ある映像で楽しませてもらいました♪
ただ、忠男達を振り回す「蛯脇」のエピソードは少しクドイ(←つーか単にぴよの好みじゃないだけ。苦笑) 後クライマックスの奥さんとのバトル?シーンはさっぱり意味が判らなかった。 プロレスを通じて家族の再生を見せてるの?家族の再生とこの奥さんのバトルには何か意味があるの? 娘達との関係も、どうして娘達が父親に優しい気持ちになれたのかちょっと判り難いし(特に次女)、全体的に「プロレスに賭ける情熱」という熱風と勢いで強引に引っ張っちゃってて、尻切れトンボな感が否めなかったっす。
小ネタ多めで結構笑っちゃうし思ったより楽しい映画なんだけど、どーも消化不良っぽい感じが残るんだなぁ。 長編映画としては今作がデビュー作らしいですから、この監督さんの次回作に期待してみましょうかネ・・・
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