監督:トマ・デゥティエール 出演:ソフィー・ミュズール フランシス・ルノー ユリッス・ドゥスワーフ、他 オススメ度:☆☆
【あらすじ】 ベルギーの小さな町で暮らすブランシェは、夫のジャンピエールと5歳になる息子のアルチュールの3人でつつましくも幸せに暮らしていた。ところがある日アルチュールが1人で出かけたまま行方不明になり、その後渡り鳥が集まる沼地で変わり果てた姿で発見されたのだ。 息子の死が受け入れられないブランシェは、アルチュールの姿を探しに毎日沼地に通いつめるようになったのだが・・・
【感想】 短編物やドキュメンタリー等を手掛けて来たベルギーの監督、トマ・デゥティエール氏の初長編作品。 作品はベルギー・フランスの合作ですが、舞台はベルギー。出演してる役者さんはぴよが知ってる方は出演してませんでしたが、本国ではきっとそれなりに知名度の高い役者さんなんだろーなぁ・・・と推察(^-^;
話を簡単に説明すると、息子を無くした母親がプチ狂っちゃって息子の幻影を見るよーになって、その後バード・ウォッチングが趣味のオタク青年と息子が死んだ沼地で知り合って仲良くなり、最終的に季節の移ろいと共に息子の死を受け入れて立ち直って行く・・・ってトコロなんでしょうな。
って、映画見たクセに物凄くいい加減な書き方してますが。 ぶっちゃけ言うと「よーわからん話だった」←吠えてんぢゃなくて、マジでわかんなかったんだってば!(苦笑)
いや、話の筋はいくら何でも判るんだけどネ、どーしてブランシェは立ち直れたのか?がわからんかったのよ。 「時間が解決した」って言われたら「あぁ、そーなんすか」としか言いようがないんだけど、少なくともこの作品はただ時間だけが彼女を癒すクスリになったという見せ方ではありませんでしたからねぇ。 要は、ブランシェに絡んでくる「鳥オタク青年」の位置付けとゆーのが、ぴよには判らなかった、と(^-^; そこんとこが理解出来なかったら映画として破綻してるんじゃーねーのか?と(コレは明らかに吠えか?苦笑)
ただ、この作品には特筆すべき美点がある。 それは何と言っても映画冒頭のカワセミの捕食シーンから始まり、渡り鳥の小さな1コマからブランシェが亡き息子の姿を探して彷徨い歩くシーン等、とにかく映像が美しく瑞々しいのです!! デゥティエール監督自身バードウォッチャーだそうで、鳥の生態や姿態を捉えた瑞々しい映像と言ったら・・・「鳥好き」にはたまらない涙モノの映像の数々がこれでもかー!と出て来ますヨ♪ 鳥だけに留まらず、部屋の何気ない1シーンやカット割り等にも監督の美意識がふんだんに反映されています。
アルチュールが渡り鳥に興味を示し、映画冒頭で「渡り」について母親に尋ねたり、しつこいくらいに渡り鳥の生態シーンやカワセミの捕食シーンをアトランダムに見せる事で、アルチュールの心情や母親と息子との衝撃の別離、それに伴う母親の心の移ろい等の心理面をさりげなく示唆しようという演出は何となく判らなくもないのですが・・・
ちょっとぴよにはこの作品は難解でしたね。 万人受けするタイプじゃないけど、感受性豊かな方にはきっと心に訴えかけられるモノがあるんでしょう。うーん。
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