監督:アラステア・フォザーギル アンディ・バイヤット 声の出演:マイケル・ガンボン(ナレーション) オススメ度:☆☆☆☆+
【あらすじ】 地球の表面積の70%を占める海。しかしその深海5000メートル超えの水域に入った人間は、実は宇宙を旅した人数よりも少ないのだ。大いなる海は人間に未知の世界を見せてくれる。それは群れをなしてジャンプを競い合うイルカ達や氷点下50度の世界で3ヶ月も絶食して卵を抱き続けるコウテイペンギン、危険と隣り合わせのシャチの狩りや孤独な海の旅人達がひっそりと集まる海の底・・・
【感想】 製作7年、ロケ地200ヶ所、撮影時間7000時間という、途方もない時間と手間と執念と奇跡によって撮影された超ド級のドキュメンタリー映画。製作はイギリスBBC放送。
身近に感じているつもりで実はまるで知らない海の世界。今までも数多くのドキュメンタリー映画は作られているけど、この作品ほど質が高く生物の生態を的確に捉え、更に美しい映像のドキュメンタリー映画にはそうそうお目にかかった事がないんじゃないだろうか? まず映画冒頭の高波チューブシーンと、イルカの群れのジャンピングシーンでつかみはOKですヨ♪
貴重な映像を撮影するために、様々な分野のベテランカメラマン達の撮影チームを組むと共に、何百人にも及ぶ科学者達とディスカッションをして海の生き物達の生態を熟知した上で撮影に臨んでいるそうです。 その努力が報われて、科学者達から深海5000メートル超えの潜水が可能な潜水艇を提供してもらう事が出来、更にはこの映画の撮影で新種の深海生物を発見し、その姿を捕らえる事に成功したんだそーです。 実際に学会でこの映画の映像も使われているんだそーですヨ。スゴイ事ですよねぇ〜!
そしてこの神秘の映像に世界トップのベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の素晴らしい演奏が被る。 ベルリン・フィルは今作で初めて映画音楽に演奏を提供してくれたんだそーですが、その壮大な映像と美しい旋律が絶妙なハーモニーを醸し出してくれていて涙モノですわよ!! ぴよ個人的にお気に入りだったのはコメツキガニの群れに使われていたBGMだな。ユーモラスでとっても可愛いの!
更に威厳のある声でナレーションを担当してくれたのが、「ハリポタシリーズ」で故リチャード・ハリスの後を引き継ぎダンブルドア校長先生役を演じているマイケル・ガンボン氏。 ハマってるわぁ〜・・・ハマり過ぎてるわぁ〜。
逞しく大いなる海に抱かれて生きる海の旅人達。 弱肉強食の世界があり、自然の淘汰があり、人知の及ばない壮絶な生の営みが美しい映像と音楽に乗せて綿々と綴られて行く・・・心地良くて思わずウトウトしちゃう気持ちはよーく判りますヨ(苦笑) でもぴよの隣で映画始まって5分からラストまで延々大イビキをかき続けるおっさん、お前は迷惑です!(^-^;
文句もつけようのない素晴らしいドキュメンタリー映像なんですがー・・・ ラストのシロナガスクジラのナレーション、アレはどーなんでしょうかねぇ?いらない気がしたんだけどなぁ。 これだけ美しい神秘の映像を見たら、誰だって「この素晴らしい海、大いなる海を守りたい」と思うハズ。 この作品の映像は、誰が見ても海と地球を守る大切さを強烈にアピールするだけの力がありましたもの。それなにの最後の最後で「グリンピースご推奨」みたいな野暮なナレーション入れちゃうからぁ〜・・・
こーいうのを「蛇足」って言うのよ。野暮なのよ、野暮。 このラストのナレーションがなかったら☆5つ確定だったのになぁ〜!
|