2004年06月25日(金) |
CAMP -キャンプ- |
監督:トッド・グラフ 出演:ダニエル・リタール ジョアナ・チルコート ロビン・デ・ジーザス、他 オススメ度:☆☆☆☆
【あらすじ】 俳優養成のサマーキャンプに様々なティーンが集まってきた。ゲイで親から勘当状態のマイケル、モテない少女エレン、過食防止のワイヤーを顎につけているジェンナ、アイドルフェイスのヴラッド等、みな演劇好きなバラエティ豊かなメンバーだ。彼らは2週間で新しいショーを発表するという課題に取り組みながら、今年も暑い夏を熱く過ごすのだ。
【感想】 無名の役者揃いで超低予算にも関わらず、サンダンス・フィルムフェスティバル2003では上映後満場のスタンディング・オベーションで迎えられ、大絶賛されたという作品です。 無名の役者っつーか、この「キャンプ」に参加する若者達は一般公募してかき集めたシロウトさん達がほとんどで、一応役者の真似事をしてる子達もほとんどが今作がスクリーンデビューのよーだ。 もっと言うと、監督さん自身も本作が初監督作品なんだってさ。初物づくしってーヤツだね♪(笑)
話は俳優養成キャンプに集まってた若者の青春群像劇(←まんまですな)に、2週間毎に何か作品を発表するという事で劇中劇が話の間を繋ぐという趣向ですが、たぶん本筋のハズであろう「青春群像劇」よりも「劇中劇」の部分にかなりの気合が入った作りです。
つーか、この映画面白いよ!
この新人監督さんは「お金なんてぜーんぜんないけど、どーしてもキャンプの映画が作りたい!」と吠えまくり、それに名だたるセレブ達が賛同してくれてバート・バカラック、ヘンリー・クリーガー、ローリング・ストーンズ等のビッグネームが快く楽曲使用と許可してくれただけでなく、「ウエスト・サイド・ストーリー」で知られるミュージカル界の巨匠スティーブン・ソンドハイムに至っては楽曲提供に留まらず、自ら実名役で映画出演までしちゃってます! 更にスタッフには「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」を成功に導いた最強メンバーがタッグを組み、オスカー作曲家マイケル・ゴアを音楽スタッフに迎え入れてオリジナル楽曲も超充実!
これってすっごい事ですよ! 日本の映画界ではこーいう事ってあり得ないですよね。誰も知らないよーな無名の新人監督の映画プロットを、無名だろうが有名だろうが素晴らしいと思ったらどんどんそれに賛同して優秀な人材が集まる。 正にこれこそが「アメリカン・ドリーム」なんだなぁ〜・・・と、アメリカ・ショウビズ界の懐の深さを感じさせてくれる素晴らしい作品だと思いますわネ。
青春群像劇の部分も結構面白いんだヨ。映画冒頭ちょっとダレる感じがするしいかにも甘ったるい青春モノなんだけど、ちょっと古臭いくらいの王道な展開の方が、劇中劇とのバランスも取れてて好感が持てる。 若者青春群像劇もよかったけど、ぴよが一番お気に入りのシーンは、かつてミュージカルで一世を風靡したものの今は鳴かず飛ばずでアル中状態のハンリーが、若者達の情熱に突き動かされて自らピアノを弾いてセッションするシーン。 このシーン、実は恥ずかしながらちょっとウルッと来ちゃったネ!
いやぁ〜・・・全然期待しないで見に行ったせいもあるかもしんないけど、めっけもん映画でしたねー。コレは♪ 目の肥えたミュージカルファンの方、是非この作品を見て色々ぴよにレクチャーして頂きたいです!!
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