監督:キム・ジウン 出演:イム・スジョン ムン・グニョン ヨム・ジョンア、他 オススメ度:☆☆☆☆−
【あらすじ】 ソウル郊外に佇む一軒家に、父親に連れられて美しい姉妹スミとスヨンが帰って来た。若く美しい継母ウンジュは笑顔で2人を迎えるが、その表情はどこか冷ややかだった。妹スヨンを執拗なまでに守ろうとする姉スミは継母を毛嫌いし、一方スヨンは常に何かに怯えているようだった。 2人の姉妹が戻って来た夜から、この屋敷では怪奇現象が起こるようになる。その全ての秘密を説くカギが、スヨンの部屋にある箪笥の中に隠されていたのだ・・・
【感想】 今、韓国ホラーは本当に元気がいい。次々と製作される中でもとりわけ話題なのが本作でしょう! 1番話題になったのは、何と言ってもこの作品のリメイク権をスティーブン・スピルバーグが史上最高額で獲得したという事なんじゃないかと思うんだけど、既存の韓国ホラーにはない斬新な試み・・・シナリオ製作段階でインターネットによる「一般人の恐怖体験募集」を募り、応募のあった恐怖体験エピソードを実際に脚本時に投影させているという工夫がされていて、本国の「箪笥公式サイト」はOPEN3日目にしてクチコミだけで10万以上のアクセスがあったそーです。
とにかく映像が美しい。 ホラーと言うと「いかにおどろおどろしく見せるか」という部分に力点がおかれると思うんだけど、本作はその美術セットが非常に格調高く、部屋の装飾や小物の1つ1つに至るまで実に手が込んでいます。 この「美し過ぎるセット」が、逆に恐怖心を煽るという面白い相乗効果を生んでると思ったね。
さて、肝心の内容なんですが これが思った以上に緻密に作られていて、この映画のタイトルにもなっている「箪笥」にまつわる一家の秘密が全て白日の下にさらされるまでに、非常に巧みなヒントや伏線を散りばめ、更にそのヒントを散々見せ付けられてるにも関わらず、最初のどんでん返しのシーンでは「えー!」と声を挙げちゃったね。
もっともこのどんでん返しに「えー!」と叫ぶには条件があって、この作品は韓国の古典怪談「薔花紅蓮伝」をベースにしているそうなんですが、この「薔花紅蓮伝」の内容を知っている人にはある程度想像が付いてしまう展開なんですわ。 この古典怪談の内容を知ったのは、映画を見た後・・・もっと言えばこの感想を書く為にネットで検索してぴよはようやく知った次第なんですが、ここにはその内容は敢えて書くのは控えておきましょう。 出来れば何も情報がない状態で見た方が、この作品は断然面白いと思うからさ。
映画見ながら「何でこの子は箪笥をこんなに怖がるんや?」「タイトルが箪笥だからってちょっとコジツケ過ぎなんちゃう?」と思ってたんだけど、この作品はきちんとお上手に後片付けもしてくれて、映画のラストでその全ての辻褄がスッキリ合うように見せてくれます。脚本がかなり練られていてウマイなぁ〜という印象ですな。
見終わるとこの作品が「決してホラーではない」という事は誰もが納得出来るでしょう。 実はすごく単純なプロットなんだけど、見せ方と展開で観客を引っ張っていくミステリー・・・既存のある作品のタイトルを思い浮かべる方も多いと思いますが(ぴよもそのクチ)、なかなか見応えのある秀作ですよ。
もしかしたら、この作品はハリウッドリメイクしたらもっと面白くなるかもしれないな、と思う。
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余談ですが・・・
実はこの作品、「女子中高学生限定試写会」ってので見たんですわ。 え?もちろんぴよは女子中高生ぢゃ〜ないっすよ?(言わなくてもみんな知ってるっちゅーに。苦笑)
この映画ねー、 是非「女子学生の群れのど真ん中」で鑑賞する事をオススメしますわー(笑) ホラーシーンがじりじり・・じりじり・・ババーン!と出るでしょ。そーすると会場中のお嬢ちゃん達が一斉に
「ぎゃぁぁぁーっ!」
・・・コレ、相当怖いです。(^-^; 映画見終わって冷静に考えると、それ程怖くなかったんちゃう?と思うんだけど、あれだけの悲鳴が一斉に上がると、それだけで自分もめっちゃビビリまくって相当怖いもんを見たって気になったもんね。
この作品を見る時は、是非ご近所の女子中高生達をお誘いして大挙して行きましょう(爆)
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