2004年06月16日(水) |
69 sixty nine |
監督:李 相日(リ・サンイル) 出演:妻夫木聡 安藤政信 金井勇太、他 オススメ度:☆☆☆+
【あらすじ】 1969年―時代はベトナム戦争反対運動が始まり、大学紛争激化により東大入試が中止された年。長崎県佐世保の高校生ケン、アダマ、イワセらは映画と演劇とロックが一体になったフェスティバルの開催を目論む。ノリはフラワー・チルドレン、要は楽しくて目立って女の子にモテれば何でもいいのだー! ・・・という下心から、勢い自分達の通う「佐世保北高」のバリケード封鎖までノリでやってしまったケン達。ところがこれがマスコミを巻き込み警察が捜査に乗り出すという大事に発展。ケン達はどーなる!?
【感想】 村上龍氏が87年に発表してベストセラーになった超自伝的同名小説の映画化。氏の過ごした長崎県佐世保を舞台に、激動の1969年を生きたノリと下心ムンムンのおバカ高校生のとんでもない所業をコミカルに描き出して行きます。 監督は1974年生まれの映画界期待の新星・李相日、脚本は既にその手腕は誰もが認める超人気売れっ子脚本家・クドカンこと宮藤官九郎。クドカンは1970年生まれ・・・てな訳で、2人とも実際の1969年を知らないんすよネ。
てな訳で、妻夫木クンも安藤クンもとぉーっても可愛いです♪(いきなり関係ない事書いちゃった。てへ♪) いや・・・その可愛らしさってのが、いかにも69年の時代の可愛い高校生ぢゃなくて、あくまでも現代を生きる高校生として可愛らしく見える訳なんですわ。 要するに、舞台は69年だけど出てくるキャラも言ってる事も様子も、まるで69年ではない訳です。
これが「違和感バリバリで云々」ってんじゃなくて、逆に舞台設定は69年なのにあくまでもノリは現代の青春おバカ群像劇というミスマッチが実にこの映画を楽しく見せてくれていて、もっと言えば69年という時代を知らない人が見て「違和感なく」楽しめる作品になってると思いますわ。
大学紛争のゲバ隊も、フラワー・チルドレンも、全部「目立てばねーちゃんにモテる♪」「楽しければいいぢゃん♪」というだけのお気軽なノリで全て引っ張って行っちゃいますが、この時代を知らないぴよにとってはコ難しい思想を語られても面白くも何ともないので、これで万事OKですわ。 これは69年という時代の記憶を持たないぴよがそう思っただけで、逆に69年を懐かしく思う年代の方が見たら激怒すんのかもしんないけどネ・・・って、たぶんその世代の方はこーいう映画見ないわな(^-^;
とりあえずクドカン節ビシバシできっちり笑わせてくれますから安心して下さい♪ ぶっちゃけ展開ぬるいし、方言ビシバシでちょっとセリフが聞き取りにくい部分多いし、かなりエゲつない映像があって、お下劣モノがダメな人は拒絶反応出ちゃう部分もあるかもしんないけど、それを補って余りあるクドカンワールドの魅力は本作でも弾けまくってますゼ。
誉めてる割りに評価が低くないかって?(^-^; ・・・なんかネ、元々はクドカンならではの魅力だった「この手のノリ」、最近多くないですか? ちょっと食傷気味な感は否めなかったんですよネ。マネっこが増えると本家にも飽きが来るっつーのかさ(苦笑)
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