監督:アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ 出演:ショーン・ペン ベニチオ・デル・トロ ナオミ・ワッツ、他 オススメ度:☆☆☆+
【あらすじ】 夫と幼い2人の娘を持ち平和な生活を営むクリスティーナ、前科者だが今は改心し妻と2人の子供に恵まれて、神への信仰を心の支えに真面目に生きるジャック、心臓移植をしなければ余命1ヶ月の宣告を受けている数学者のボールは、別居していた妻が戻って来て子供が欲しいと告げる・・・ 出会うはずのなかった3人の人生は、ある事故がきっかけで絡み合っていくのだ。その先には何があるのか?
【感想】 ショーン・ペン、ベニチオ・デル・トロ(大好き♪)、ナオミ・ワッツ、その演技力には定評のある3人が夢の競演を果たした話題の一作。本作ではベニ&ナオミがオスカーにノミネートされ、更にショーン・ペンは本作ではないけどミスティック・リバーで主演男優賞をゲットしたのは記憶に新しいでしょう。 ちなみにショーンだけじゃなくてベニちゃんだって「トラフィック」でオスカー(助演男優賞)取ってんだもんねっ!(^-^;
映画の作りがかなりトリッキーな構成で、話を細切れに(本当に小さなワンシーンで区切ってる)したものを、バラバラに見せて最終的に1つの繋がった話に見せるという手法になっている。 それが時間の流れも何もかも無視して映画冒頭からいきなりかなりクライマックスのワンシーンをポンと見せたかと思えば、平和な家族の営みをチョロっと出したりして・・・ 映画始まってしばらく何が起こってんだかさっぱりわからなかったんすけどネ(^-^;
でも最終的にどんな話だったのかわからない人はいないでしょ。 時間も展開もまるで無視したよーにバラバラだった細切れシーンが、ちゃんと映画が終わった時には1つにまとまっている妙技には拍手喝采するしかない・・・ハズなんですが、正直言ってぴよには「何故この見せ方をする必要があったのか?」という監督さんの意図が見えなかった。 せめて、クライマックス以降は時系列通りに見せて欲しかったなぁ。その方が緊張感が高まった気がする。
とにかく役者の演技が素晴らしいんすよ! やっぱりベニチオ最高だぜっ!彼の鬼気迫る演技は文句の付けようがありませんや♪ それにナオミ・ワッツもかなり良かった。全然話題になってないみたいだけど、ぴよはショーン・ペンの嫁さん役だったシャルロット・ゲーンズブールもすごく良かったと思うんだけどナ♪ ちなみにショーン・ペンの演技はちょっと飽きた(をい)。ミスティック・リバーの時とネタ被ってるんだけど、彼の演技はあざと過ぎてぴよには鼻に付くな。うん。
役者の演技はいいんだけど、最終的にちょっと説明不足というか強引な展開だったのは否めない。 臓器提供者をアソコまでして調べ上げようとするボールの心情は理解し難いし、家族を奪われたクリスティーナが復讐したい気持ちはわかっても、それを何故ボールに当たり前のように「おまへが殺せ!」と言うのかぴよには全然わかんない。 ボールが何故クリスティーナにあそこまで入れ込むのかも理解出来ないし、「それでも人生は続く」というセリフの意図も、クリスティーナのあのラストシーンで強引にカタ付けちゃってるけど、ぴよには「こーいうオチで人生は続くって事?ただそれだけなんすか?」としか思えず・・・要は判り難いんだよネ(^-^;
先にも書いたけど、「クライマックスシーン以降は時系列順に見せてもらいたかった」という1番の理由は、延々細切れシーンを繋ぎ合わせる手法を最後の最後まで続けてしまったが為に、役者の素晴らしい演技でググッと惹き込まれたテンションが、ブチブチとシーンが切り替わる事で維持出来なくてすんごい消化不良状態になっちゃったからなんだよな。 「おまへの頭が悪いから理解出来ないんぢゃ」と言われたら反論のしようもありませんが、もう少し見せ方を工夫して欲しかったと思うなぁ・・・だって監督の伝えたいメッセージを観客が受け取れなかったら作品として破綻してると思わない?
でも役者の演技はピカ1です! ベニチオはやっぱりいいよなぁ〜♪最高だよ。うん。 ベニの名演技が見られるだけでも価値のある映画ですわ。へへへっ♪
|