ぴよの映画めった斬りコーナー
ぴよが見た新作映画・ビデオ・DVDを個人的趣味でぶった斬るコーナー
ぴよと意見が合わないからっていじめないでぇ〜ん!(^_^;)
【ネタバレも含んでますので注意してねん♪】

2004年06月07日(月) スイミング・プール

監督:フランソワ・オゾン
出演:シャーロット・ランプリング
    ルドヴィーヌ・サニエ
    チャールズ・ダンス、他
オススメ度:☆☆☆+


【あらすじ】
イギリスの女流ミステリー作家サラは、鬱屈した日常を忘れる為に出版社社長の薦めで、彼の所有するフランスの別荘に招かれた。明るい日差しとプールの見渡せる静かな環境に恵まれて執筆の腕もはかどるようになったサラだが、数日後に社長の娘ジュリーが現れた事で心がかき乱されるようになる。
美しく若い娘ジュリーは、日毎違う地元の青年を連れ込んではセックスに興じる毎日・・・最初は苦々しく思っていたサラだが、次第に彼女に興味を覚えて「ジュリー観察」が楽しくなって来た。そんな矢先に事件は起こったのだ。


【感想】
「まぼろし」「8人の女たち」で世界中にその名を知られる事になったフランソワ・オゾン監督の最新作。
オゾン監督の渾身の一作なのか?上記2作品に起用したシャーロット・ランプリングとルドヴィーヌ・サニエを今作の主要人物に据えて、正に万全の体制で臨んだあっと驚くミステリー!

・・・と、予告編を見た人なら誰もが思うでしょう。
ぴよも「どこでヒッカケがあるのかな?」と、ミステリー好きの虫がワイワイガヤガヤ大騒ぎ状態で見ていたんですが、正直言うとこの予告編の作りはある意味かなり卑怯です(^-^;
予告編を見る限りだとこの別荘で殺人事件が発生して、その犯人探しの部分がミステリーの中核になるんだろうと誰もが思うと思うのですが(少なくともぴよはそー思ってた)、はっきり言って殺人事件自体はミステリーでも何でもありません。

本作の見ドコロは、犯人探しでもミステリーでもなく、生真面目な女流作家と奔放で美しい娘ジュリーの対比を楽しませる事が一番じゃないかと思うんですわ。

老いた父親を抱え、有り余る才能を駆使して大ヒットミステリー作家として名を馳せるハイミスのサラ。
お金にも作品のプロットにも不自由のない、真面目で気難しく神経質な「いかにも女流ミステリー作家」のイメージそのままのサラと、彼女の対極のような若く美しく、そして奔放でセックスアピールいっぱいのジュリー。
サラがジュリーに興味を持っても・・・もっと言えばジュリーに憧れても仕方ないという状況設定は誰もが納得出来ます。

この映画のキモはもう1つ。
それは陳腐な殺人事件が起こって、いよいよ映画が終わるその瞬間になって明かされるどんでん返しでしょう。

(以下、ネタばれしてる?ので、未見の方は読まない方が懸命です)



予告編で「この作品はとてつもないどんでん返しのあるミステリーですヨ」と煽られていたので、映画見ながらいよいよ殺人事件が起こった時点でぴよなりに色々考えてたんですわ。
『この殺人事件自体が実はサラの勘違いなんぢゃねーの?』とか、
『犯人がコイツじゃー真っ当過ぎるから、実はサラが犯人だったりしてナ♪』とかネ・・・

そーいう類のどんでん返しじゃなくて、もっと根本的な部分で「どんでん」だったんすネ(^-^;
実言うと、このどんでん見た瞬間に「え?え?じゃあ彼女は一体誰だったの?」「つーか、辻褄合わないぢゃん!」等と頭の中はグルグルしまくり、ラストのスタッフテロップの部分をボーッと目で追いながら、目まぐるしく自分の頭の中で辻褄合わせにちっぽけな脳細胞総動員状態だったんすけど(笑)

結果的に言うと、今でも本当にトコロが判ってないぴよなんですが・・・
以下、ぴよが萎縮しまくった脳細胞でひとまず導き出した結論。未見の方はドラッグ禁止!(笑)

結果的に言うと、サラが別荘で出会ったジュリーという娘自体が存在していないという事?
ミステリー作品を紡ぐ事に飽き飽きしていたサラが、今までトライしたくても出来なかったなかった自分の内部を曝け出す情緒的作品を作る為に、自分の頭の中で作った妄想だったという事?
まずからして、サラは本当にこの別荘で執筆したかも疑問だよね・・・ラストシーンで実際の社長の娘に手を振るシーン(それが妄想?のジュリーの姿と被ってるのがまた思わせぶりだし)を見る限り、社長の娘というのはあの小太りのサエない娘しかいないとしか思えないし。



結果的に言うと、今でもスッキリしないぴよなんですが(^-^;
もしこの作品を見て「アンタ何勘違いしてんの?そーじゃなくて、この作品の真相はこーでしょ!」と、スッキリ説明の出来る方がいらっしゃったら是非ぴよにご教授お願いします。(マジで!お願い!!)

でもネ、
今もまだ「?」飛び交いまくりの本作ですが、非常にぴよお好みの映像美と気だるげな展開。
非常に洗練された「フランス映画らしいフランス映画」を堪能したという満足感はありましたネ。







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