2004年05月27日(木) |
ドーン・オブ・ザ・デッド |
監督:ザック・スナイダー 出演:サラ・ポーリー ヴィング・レイムス ジェイク・ウェバー、他 オススメ度:☆☆☆☆−
【あらすじ】 看護婦のアナは仕事を終えて自宅に戻り夫と愛を交わし、いつも通りの朝を迎えた・・・ハズだった。始まりは我が家の寝室に死人のような顔をして立っている隣家に住む少女だった。彼女は夫に襲い掛かり、襲われて無残にも死んだハズの夫がみるみる蘇って、今度はアナに襲い掛かって来たのだ! 命からがら逃げたアナは町中が異常事態になっている様子を目にする。町に溢れた生きる屍のような暴徒達を振り切り、途中で合流した警官達と共にようやくショッピング・モールに逃げ込んだものの・・・
【感想】 ホラー界に一時代を築いた奇才ジョージ・A・ロメロ氏の「ゾンビシリーズ」のリメイク。 これが売れに売れまくって、アメリカではホラー映画の興行収入新記録を打ち立ててしまったという作品です。 ぴよは何度もこの映画感想ページで書いて来ましたが、ホラーが大っ嫌いなんです!だから子供の頃にゾンビがめっちゃ流行ってた事は勿論知ってましたけど、当然ながらロメロ氏の作品は1つも見ておりません。
では何故今回わざわざ金払ってまでゾンビ映画を見たのか? 余りに市井の評価がいい事と、最近ホラー映画を見てもそれ程怖いと感じなくなってる自分に気付いて、もしかしたらぴよは映画を見続ける事によって「ホラー嫌い」を克服出来たんではないか?という思いがあった事、更には世間でこれだけ評価される映画だったら、たとえホラーでも見逃したくないというケチな貧乏根性もあったと言い添えておきましょう(笑)
かつての名作「ゾンビシリーズ」を見ていないぴよにとって本作は初めてのゾンビ体験でしたが、いくらホラー嫌いのぴよだって、ゾンビに噛まれて死んだヤツはゾンビとして蘇る(感染する)事、それからゾンビを葬るには頭を攻撃すればいい事、そしてゾンビ特有のあの「また〜りした動き」、これくらいは知識として持っていました。
で、本作。 ゾンビがノッケから猛烈な勢いでダッシュしまくり!猛スピードで走る車に並走するくらいの勢いで走ってる!! 普段はわりと「また〜り」と動いているゾンビ君達が、いざエサ(人間)を見つけると、瞬時にオリンピック選手もかくやと思う程のスピードで走りまくる大スペクタクル!(爆) 既に作品を見た方から散々情報を頂いていたぴよですが、それを実際に映像で見た時のカルチャー・ショックと言ったら!
しかも話のプロットもかなりしっかりしていて、人間関係の描き込みも割りと判り易くて丁寧です。 展開に挿入されるエピソードもかなり愉快で、アナ達が逃げ込んだショッピング・モールの向かいにある孤立無援状態になった銃砲店の店主と、ボードを掲げてコミュニケーションを取るくだりは、かなりのお気に入りです♪
ショッピング・モールに逃げ込んだ面々の人間関係の描写は「人間界のルールと歴史」そのままを凝縮していて面白い。 この「ショッピング・モールという小国」の中で、クーデターが起こって政権交代があり、他人の不幸には冷酷でも身内の不幸には報復をするというエゴイズムがあり、我が身を省みずにたかだか犬1匹の為に命を投げ出す覚悟で救出に向かう愛と、それをまたまた我が身を省みず救おうとする嫌味な程のヒロイズムがあり。
ラストのその瞬間まで、驚き・悲しみ・楽しみ・嘆き・苦しみ・・・人間の人間たる所以を網羅し続けて行きます。
ぴよはロメロ氏の「ゾンビシリーズ」を全く知らないので、かつてのゾンビシリーズファンの方にとって、この作品がどういう評価や位置付けになるのかわからないんですが・・・ 少なくとも「ホラー初心者」にとってはかなり見応えがあり、かつ面白い作品だったと言えるでしょう。
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