2004年05月28日(金) |
海猿 UMIZARU |
監督:羽住英一郎 出演:伊藤英明 加藤あい 藤竜也、他 オススメ度:☆☆☆☆
【あらすじ】 海難事故の人命救助の為に危険を冒して海の底に向かう「潜水士」――海上保安官の1%しかなれないという海難救助のエキスパートになる為に、全国から選りすぐられた14名の保安官が50日間の過酷な研修に臨むのだ。 潜水士は「バディ」と呼ばれる相棒と常に2人1組で行動するのだが、研修生の中でもダイブマスターのライセンスを持つ最有望株・仙崎のバディは劣等生の工藤だった。研修で常に仙崎の足をひっぱる工藤だったが、次第に2人には分かち難い絆が生まれて行ったのだ。そんな矢先に事件は起こった・・・
【感想】 佐藤秀峰氏の同名人気コミックスの映画化。 監督は「踊る大捜査線 THE MOVIE」のの助監督として参加していた羽住英一郎氏、スタッフもまるまる「踊る〜」のメンバーを抱え込んで撮影されたよーで、要するにCX(フジTV)系丸抱えの鳴り物入り一作というトコロでしょうか。
海難事故があると、TVニュースの映像で海上保安庁の巡視艇から次々と潜水隊が潜ったり何か引き上げてたりする映像を見かけますが、それが「潜水士」と呼ばれている事も、海上保安庁の中でも選りすぐりのエリートだという事も、この映画を見て初めて知りましたわ。 ぴよみたいな世間知らずのおバカが、こんな職業があるんだという事を勉強出来るだけでもめっけもんの作品?
潜水士になる為の研修の様子が、物凄いリアルなんですわ! それもこれも、原作が「海上保安官の認知度を高めてくれた」という事で長官賞を受賞しているそーで、映画撮影に際して海上保安庁の全面バックアップが実現した事が1番の要因でしょう。「潜水士」の研修に使用している海上保安大学校でのロケや、実際に利用されている巡視船やヘリコプターを出動させてもらう等の異例の協力が得られた事により、リアルで生々しい映像が撮れたんだそーです。
ただ「潜水士」の職業紹介してんぢゃー映画として破綻しちゃいますので、そこに研修生達の人間ドラマと主人公・仙崎の恋愛も絡めて爽やかな若者青春群像劇にして行きましょう、という趣向です。 ま、恋愛モノに関しては・・・たぶんヤローばっかりの職場の話だから花がなきゃいかんだろう、という配慮ですな。
てな訳で、恋愛部分に関わって来る加藤あいちゃんは大根です(こらこら) もっとも芸達者なのは研修所の教官を演じた藤竜也と海上保安庁のお偉方を演じた面々くらいしかいないので、加藤あいちゃんを責めるのは酷というモノでしょう(苦笑) 研修生達も若手から無名の役者を取り揃えているので(工藤役の伊藤敦史は独特のキャラを持っていますが)、それ程演技がどうのこうのという程の目に付くものはありませんでしたが・・・加藤あいちゃんの演技は鼻に付いたな(^-^;
正直言うと、ありがちなドラマを時にユーモア交じりに、時にシリアスに繋いで見せているだけ・・・フジTVの火曜か水曜辺りのドラマ枠でやりそうなネタなんですが、意外にハマってる自分がいるから驚きなんですわ!!
本筋のネタが「男の友情と人間の成長」という、オーソドックスでありながらイマドキ余りに臭過ぎて誰も手を出さないネタを、今これだけ堂々と見せてくれる作品も珍しいという事も1つの理由だと思うし、やっぱり海上保安庁の全面協力を得られたリアリティのある映像、そして見ていてひしひしと感じるこの映画に賭ける製作者達の熱意ネ。 映画撮影に際し、出演者達は映画の中と同じようにみんなで合宿状態で撮影に臨んだそーで、それが映像の中で生きていて非常に映画作りに対する団結と結束を感じられるモノになっていました。
「ここで観客を泣かせたるぅ〜」「ここで観客を笑わせたるぅ〜」という意図ミエミエのかなりあざとい展開てんこ盛りなのに、いつの間にかすっかり製作者の思惑通りに乗せられて思わず涙ぐんでる自分が悔しくてたまらないわよっ!! (どーにもこーにもひねくれ者ですいませんねぇ。苦笑)
すっごくベタな作りだけど、王道ド真ん中直球ストライクだからこそ伝わる感動も絶対にある。 最近の邦画はやたらと映像に凝ったりヒネり過ぎたりするモノが話題になりがちだけど、真摯に人の心に訴えようと思ったらやっぱり直球勝負した方が強いんだよ、という事なんでしょうね。 それにしても・・・本当にフジTV系はやる事があざといよなぁ〜!それにハマったぴよが言うのもお門違いだけどサ(笑)
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