監督:ジョエル&イーサン・コーエン 出演:トム・ハンクス イルマ・P・ホール マーロン・ウェイアンズ、他 オススメ度:☆☆☆+
【あらすじ】 ミシシッピ川のほとりに住む未亡人のマンソン夫人は敬虔なクリスチャンのおばちゃんだ。ある日一人の上品な紳士がやって来て、マンソン婦人の家の一室を間借りしたいと申し出た。彼は教会音楽の研究者だと名乗り、この家の地下室で仲間と教会音楽の練習をしたいと言うのだ。 ところがこの紳士、実は「教授」の異名も持つ天才的大泥棒だったのだ。狙いはミシシッピ川沿いのカジノの売上金強奪。翌日からマンソン婦人宅の地下室からトンネルを掘って、カジノの金庫を目指す教授チームだったが・・・
【感想】 シニカルな笑いに定評のあるコーエン兄弟の新作は、ハリウッドの重鎮トム・ハンクスを主演に繰り広げるコメディ。本作の元ネタは1956年公開のイギリス映画『マダムと泥棒』だそうです。(ぴよは勿論未見)
実はぴよはコーエン兄弟の映画が結構好きだったりする。 正直言って「後世に残る名作」とはお世辞にも言えないし(つーか程遠いし。苦笑)、タラァ〜っと見て映画館出て数時間もすれば忘れちゃいそうな軽〜いコメディ系だと思うんだけど、下らない事にこだわったり気を遣ってるトコロが「いかにもコメディの王道」だと思うんすよ。
さて本作。 主人公「教授」演じるのは、その演技力は既に疑いようもない重鎮トム・ハンクス。 怪しいヒゲ、胡散臭いのに妙に説得力のある眼力、そしてよどみなく口から垂れ流される独特の語り口の長セリフ。どれをとっても教授というキャラクターが実にハマっていて見モノです♪
そして相方(謎)のマンソン夫人演じるイルマ・P・ホールのキャラクターも実に面白い。 いかにもアメリカ南部にこんなおばちゃんいそうだよなぁ〜・・って感じの、敬虔なクリスチャンにして口うるさく年がら年中文句垂れまくって保安官を困らせているおばちゃん。 この「保安官も匙投げてる」というおばちゃんvs保安官のエピソードが、オチにきっちり絡んでるトコロもウマい。
公式HP見ると「その道のエキスパートを揃えて万全の体制で計画」てな調子で書かれてますが、映画中では教授が新聞広告出して掻き集めたならず者達というお粗末な強奪チームで、この部分で既にこの映画の先は見えちゃうのは面白味に欠けると思うものの、パーフェクトなチームではいよいよ「教授チームvsおばちゃん対決」のクライマックスに持って行けなくなってしまうので仕方ないのか?(^-^;
いやはやしかし、カジノの売上金強奪後の展開・・・元ネタを知らないぴよには(元ネタとこの部分が同じなのかは不明)最初は結構面食らっちゃったんだけどネ。 それが(どれかは映画見て納得してちょ)立て続けに続くと「なーるほどネ」とは思うものの「でもまさか最終決戦はこーじゃないよね?」という期待に胸が高まりまくりのぴよでしたが・・・
まさかそーいうオチを持ってくるか、と。 正直脱力しましたわ・・・って、劇場で「んなアホな!」って声に出しちゃったぴよは、たぶんコーエン兄弟が期待したトーリの反応だったんでしょうけど(苦笑)
大絶賛する程だとは言い難いけど、きっちり楽しませてくれるエンターテイメントになってますヨ♪ 思えば・・・ぴよってコーエン兄弟の作品見ると、いつも感想のシメは似たよーな事書いてる気がするな。
よーするにコーエン兄弟の作品って、暇つぶししたくて尚且つ楽しい気分になりたい時にうってつけなんだろーな、と。
|