2004年05月22日(土) |
ミニミニ大作戦(1969年作・オリジナル版) |
監督:ピーター・コリンソン 出演:マイケル・ケイン ノエル・カワード マギー・ブライ、他 オススメ度:☆☆☆−
【あらすじ】 ケチな泥棒チャーリーが2年の刑期を終えて出所した。チャーリーの次なる獲物は初めて踏む大仕事。マフィアに殺されたベッカーマンの遺した計画書に従って、イタリアのトリノで四百万ドルの金塊をいただこうという寸法だ。 まだムショにいる大泥棒ブリッジャーの助けを借りてイギリスで襲撃隊を組織、コンピューターに強いヤツ・運転技術の長けたヤツ等取り集め、途中イタリア・マフィアの襲撃を受けるものの、何とかトリノに辿り着いた一行だった。
【感想】 以前鑑賞した「ミニミニ大作戦(2004.2.1鑑賞)」のオリジナル版。何と製作は1969年だってさ! 原題は「The Italian Job」、イタリア・トリノで現金強奪する話なのでこの原題はシンプルっちゃーシンプルだわね。逆に言えば2003年に製作されたリメイク版の方はイタリアよりもロスでの強奪が中心になってるから、このタイトルが似合わないわ。 そういう意味では邦題の「ミニミニ大作戦」はなかなか気の利いたタイトルだと思う。
リメイク版の方はメンバーの重鎮を殺された復讐に燃えるという、かなりストイックで真面目なネタだったのに対し、このオリジナル版は最初っから最後まで中途半端なドタバタが繰り返されるキッチュなコメディになってます。 ・・・って「キッチュなコメディ」と言えば聞こえはいいですが、正直言うととっ散らかってネタバラバラ、しかもネタがどれもこれも収束しないで放置プレイというとんでもない話になってますわ(笑)
人物の描き込みが薄いので、主人公と大泥棒ブリッジャーの関係が最初から最後まで判らず(ネットであらすじ拾っててようやくなんとなく判ったよーな判らないよーな。苦笑)、 他にも中途半端に登場して印象だけは強く残すものの最終的にまるで本筋に絡んでこないイタリア・マフィア、 キャラクター設定はとても面白いのにまるで生かされていないデブ専のコンピューター専門家、 途中で放り出されたまま結局最後まで出番のなかった主人公の彼女等、とにかくネタはてんこ盛りなのにどれもこれも放置プレイに処されててどーしようもない状態になっちゃってます!(^-^;
しかしながらアストン・マーチンをはじめ、映画に登場して来るかつての名車の数々、女の子達の可愛い衣装、ちょっとした小物や室内装飾などのレトロ感が見ててすっごく楽しいのだ☆ ってね、この映画が公開された時はきっと最先端の車とファッションだったに違いないんですが、今の時代に見てるからこそ楽しめる要素な訳ですわ。映画冒頭の車が疾走するシーンなんて「昔、スカイラインとかアウディのCMで、こんな雰囲気のがあったよなァ」ってな超レトロなカメラワークなんですが、それがまたとてつもなく古臭いBGMが被って画面に流れると、妙にワクワクするから面白い。
ミニクーパーの使い道としては、リメイク版よりもオリジナル版の方が正しい(変な表現だな)と思いますだ。 それに意外だったのは、コンピューターに細工をして信号機を故障させて渋滞を起こすというアイディア。てっきりこれはリメイク版ならではのネタだと思ってたのに、35年も前に作られたオリジナル版で既にこのアイディアが採用されているという点。 当時のコンピューターだからスゴイよー!何しろ磁気テープだYO!!
映画のラストもめっちゃ中途半端で煮え切らず、ホントにどーしようもない作品だと思うんだけど(苦笑)、2004年の今見るからこそ楽しめるという妙な映画ですわ。 もし劇場公開時に見てたら吠えまくってたに違いない。うむ。(笑)
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