2004年05月07日(金) |
カルメン carmen. |
監督:ビセンテ・アランダ 出演:パス・ヴェガ レオナルド・スバラグリア ジェイ・ベネディクト、他 オススメ度:☆☆☆☆
【あらすじ】 スペイン・アンダルシア地方を旅していたフランス人作家プロスペル・メリメは、山中で出会った暗い瞳を持つ1人の男にコルドバの町で偶然再会した。2人を結びつけたのは妖艶な女・カルメンだった。 そして3度目に男―ホセに会ったのは彼が処刑される直前の牢獄だった。ホセはカルメンという女に翻弄されて転落していった自分の半生をとつとつと語りだした。その始まりはたばこ工場に勤めるカルメンと出会った事だった、と・・
【感想】 1847年に出版されたフランス人作家プロスペル・メリメの不朽の名作「カルメン」の映画化。 「カルメン」と言うとメリメの名前よりも「ビゼー」の歌劇の方が有名でしょう。実際ぴよもビゼーの歌劇の内容でしか知りませんでしたし、原作自体もビゼーの歌曲が発表されるまではまるで評価されていなかったそーですわ。 で、本作はビゼーの歌曲「カルメン」ではなく、原作を忠実に映画化したものだそーです。
とにかく映像がすげーキレイ!文句なくキレイ!溜息出るほどキレイ!! 当時の女達の衣装、町の様子、装飾、風俗、何もかもがあの時代の古き良き情熱の国・スペインをそのまんま再現していて、美しい映像見るだけで満足しておうち帰れます。えぇ♪
で、肝心の話をリードしていくのが原作者プロスペル・メリメの独白。 映画冒頭ちぃーっともカルメンが出て来ないから「なんぢゃよ、コレは」と思ってたんだけど、これが話が進んで来るとメリメの体験した事とホセの告白と回想シーンが実にうまい具合に被ってくるんだな。 意味不明だったメリメの体験が、後のホセの回想シーンでかなり重要なポイントを押さえてたりしてかなりお上手です♪
「カルメン」というと「悪女・魔性の女」の代名詞。 映画の中のカルメンは、ぴよが想像していたよりもずっと魔性度が高く(笑)、彼女と目を合わせた男は危険だと百も承知でも彼女の魅力に抗う事が出来ないという・・・正に食虫花のよーな禁断の果実の匂いをぷんぷん放ってましたわ。 またカルメン役のパス・ヴェガの体のいい事と言ったら!・・・こんな女が耳元で囁いた挙句に裸で「かもーん♪」してきたら、女のぴよでも思わずむしゃぶりつきそうですわ(爆)
で、カルメンは本当にただの悪女だったのだろうか?と映画見ながら考えちゃったんだよね。 この映画見たほとんどの野郎どもは「すげーいい女だけど、性格極悪ぅ〜!」って思うんだろうけど、果たして本当にカルメンという女はただの極悪非道な女なのだろうか?
カルメンが男達に与える「愛」は、ある時彼女の本心で、ある時そこに打算があり、そしてある時は純粋な好奇心と征服欲であり、それってよくよく考えるとどんな女の心にも巣食ってる「女の本能」のようなモノに見えるのね。 より魅力的な強い男に惹かれるメスの本能・・・そして彼女はたまたまメスの本能を思うがままに表現し体現出来るだけの美貌と処世術を持ち合わせていただけ・・・
まるで毒気のない女に男はそそられるだろうか?抗い難い魅力を放つ女というのは、それだけ毒があってしかるべきなのだ。世の中には「美しい花ほどトゲがある」という言葉もあるではないか! 世間的には「男はさすらう性で、女は腰を据えて家を守る性」という認識が強いけれど、女の本質は実はカルメンなんじゃないかと、もっと言えばカルメンのような女がいるからこそ、男の歴史と伝説が生まれるんじゃないかとすら思うのさ。
こーいう映画、ぴよ大好き♪ 好き・嫌いの割とはっきり出る作品だと思うけど、ぴよはイイ女が出ててステキな映像ってだけで好き♪(をい)
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