監督:篠原哲雄 出演:香里奈 谷原章介 成宮寛貴、他 オススメ度:☆☆−
【あらすじ】 沖縄にさとうきび収穫のバイト「きび刈り隊」としてやって来た7人の若者。それぞれに様々な思いを秘めた彼らは、35日間寝食を共にしながら7万本という途方もない量のさとうきびと格闘しなければならなかった。 想像以上に過酷な作業、そして先輩風を吹かせるきび刈り隊の常連に反発を覚える者、ロクに挨拶も出来ない者、それぞれの若者はきび刈りで何を得て行くのか・・・
【感想】 長田弘氏の詩集「深呼吸の必要」に触発された「ちゅらさん」シリーズの脚本家・岡田惠和の企画によって、オリジナル脚本を起こして映画化した作品。たぶん詩集と作品の内容には直接の関連性はないんだろうなと。 たまたまですが、立て続けに篠原監督作品を鑑賞する事になりましたな。
要は「きび刈り」という過酷な労働を寝食を共にしながら体験する事で、それぞれが抱えた問題を浮き彫りにさせて、最終的にそれぞれが成長し何かを掴んで行く・・という青春群像劇な訳ですが、要するに30年前くらいにすっげー流行った「青春物・学園物ネタ」を、今の役者さんにシチュエーションを変えて演じて頂いた、ただそれだけで(^-^;
最近ここまでベタな青春群像劇ってあんまりなかったから、中村雅敏が怪しいアフロヘアで走りまくってるよーな学園物(古いなぁ〜)を知らない世代のイマドキの人が見たら、それなりに楽しめたり共感したり納得したり出来るのかもしれませんが、ぴよにはなーんの面白味も感じなかったんだけどな(今日も吠えましたね。苦笑)
この映画の1番の致命傷は、何と言っても主人公「ひなみ」のキャラクターに魅力がない事、更に何故ひなみはこの過酷なバイトに参加する事にしたのかという理由、ひなみが抱える問題について一切触れていないという所。 他にも、よっぽどの理由がなきゃこんな過酷なバイトに参加しないであろう「オシャレ命」の女の子も、ただ文句垂れたりキャピキャピしてるだけで「どうしてここにやって来たのか」というツボに触れずに終わっている。
全てのエピソードやそれぞれが抱える問題が、中途半端にバラバラに提示されて、それがとっ散らかったまま結論を出さずに、ただ肉体を酷使し集団生活をする事で何となく昇華されちゃった、という終わり方になっちゃっててどーにもこーにも納得が行かないんですわよ。
さとうきびを刈るシーンをもっと少なくして、個々の精神部分にスポットを当てた方がよかったんじゃないかと思うのよ。 どれもこれも中途半端になるくらいなら、問題を抱えたキャラクターを2,3人に絞って(その中に主人公を入れるのは基本)、そのキャラクターをうんと掘り下げる事に心血注いだ方が断然作品に深みが出ると思うのさ。
沖縄の素朴で瑞々しい風景、実に感じのいい「おじい・おばあ」、そしてとにかく美味そうな沖縄郷土料理。 この3点以外には何の魅力も見出せない、実に中途半端なアイドル映画モドキになっちゃってましたわ(苦笑)
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