監督:犬童一心 出演:山崎 努 青島幸男 松原智恵子、他 オススメ度:☆☆☆
【あらすじ】 東京郊外にある高級有料老人ホーム。ここに入所している悠々自適の生活を送る老人達の仲間の1人が亡くなった。彼が遺した「死に花」というタイトルのノートに書き記されていたのは、何と銀行の金庫強奪計画書だったのだ。 練りに練られた計画書を見て沸き立つ老人達。生ぬるい「老後」に辟易していた仲間達は一念発起、銀行強奪計画を実行に移すのだが・・・
【感想】 太田蘭三氏著の同名タイトル小説の映画化。 とにかくキャストが豪華です!山崎努、青島幸男、谷啓、宇津井健、長門勇、の「銀行強奪メインチーム」に、花を添えるマドンナ役は松原智恵子と若手の星野真里、他に藤岡琢也、小林亜星、そして森繁久彌等、日本映画界を長年背負って来た錚々たる顔ぶれが総出演しています。
予告編で大体のあらすじの流れは想像付きますが、要するにヒマ持て余したリッチな老人達が、生き甲斐見つけて子供のように大はしゃぎしながら銀行の金庫を強奪しようという話です。
話のネタ自体は非常に面白いと思うの。 実際、今の「70歳超世代」ってすっごく元気いいし、元気はあるのにやる事がなくて日々を持て余してる人、多そうだしね。そんな彼らが刺激を求めて起こした行動が「銀行金庫強奪」ってんだから、突拍子もなくて楽しいぢゃ〜ありませんか!
ネタはとっても興味をそそるし、映画自体も結構「ぷぷっ」と笑わせてくれるんだけどネ、どうもダレるんだよなぁ〜(^-^; まず、銀行の金庫強奪に至るまでのエピソードが長過ぎる感じがしたんだよね。 すっごく丁寧に老人達の生活振りやエピソードを描いてくれてるんだけど、それがぴよには余り魅力的には映らなかったワケよ。映画冒頭の棺桶シーンは導入部としてなかなかいい感じなんですが、その後の白寿祝いのシーンや葬式終了までのシーンが長過ぎると思うの。 加えて言えば、金庫強奪後のラストも全部端折っちゃっても(全部と言わないまでもかなりの部分)良かったと思う。
更にイチャモン付けるとさ(あうぅ〜) これだけの芸達者な役者を揃えている割に、個々のキャラクターに際立つモノがないってのも勿体無い気がするわ。 1番クセがあるのは青島幸男氏の「1000人斬り目標のエロおやぢ」だけど、彼だって妙にいい人でクセがない。もっと生臭くて辛らつでワガママで癇癪持ちで、更に持病があって都合のいい時ばっかり病気のせいにするような・・・そんな「誰もがイメージする老人像」をうんとディフォルメしたよーなキャラがてんこ盛りの方が、エピソードも膨らみが出て面白くなったんじゃないかなーと思うのよ。
妙に老人達を持ち上げて、感じのいい老人達ばかり揃えてしまっているのが本当に勿体無い。 もしかしたら製作者は、この映画の鑑賞ターゲットを「同世代の高齢者」に据えてるのかもしれないけど、ネタ的には充分若者にウケる内容だと思うんですわ。 若者層にこの映画をアピールしようと思ったら、やっぱり若い人がイメージする「これだから年寄りってのはさぁ〜!」ってキャラをふんだんに作った方が断然映画が生きたハズ。
そういう意味では、小林亜星氏のキャラが一番若者のイメージする「老人キャラ」だったのかもしんないな。(^-^; ま、どんなだったかは映画を見て楽しんで下さいヨ♪(笑)
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