監督:ティム・バートン 出演:ユアン・マクレガー アルバート・フィニー ビリー・クラダップ、他 オススメ度:☆☆☆☆+
【あらすじ】 エドワードは自分の人生をまるで神話か御伽噺のようにドラマティックに語る少々虚言癖の激しい男だ。だが彼の話の楽しいだけでない「真実」の物語に人々は魅了され、誰もが彼と彼の話を愛したのだ。たった1人彼の息子を除いて。 幼い頃は父エドワードの話に夢中になった息子のウィルだったが、エドワードのホラ話に段々嫌気が差し、本当の父の姿が見えなくなっていったのだった。病床の父を見舞ったウィルは「真実の父の姿」を捜し求めるのだが・・・
【感想】 1998年に発表されたダニエル・ウォレス氏著のベストセラーになった同名小説の映画化。映画化に際しスティーブン・スピルバーグ監督も候補に挙がったそーですが、結局ティム・バートンがこの大役をゲット。 ティム・バートンって、ぴよ的に「当たり・ハズレが大きい監督」というイメージなので、期待半分で鑑賞しましたが・・・
映画の構成が、死期の迫った(それでもホラ吹きまくり)親父と息子の葛藤という現実シーンと、親父が語る壮大なホラ話を映像で見せる虚のシーンを交互に差し挟むという、なかなか面白い作りになってます。
とにかく親父の語る「我が人生」ってのが、実にドラマティックで楽しい。 こんな話あり得ねー!と思っても、「それで、どーなったの?」って思わず聞き入っちゃうネタばっかり♪ そのホラ話を実に丁寧に映像化してくれて「絵+エドワードの語り」の絶妙なコントラストで益々惹き込まれちゃったねっ
この「ホラ話」をどうやって収拾付けるのかと思ったら・・・ これは原作が素晴らしいのか脚本が素晴らしいのか、虚実入り乱れた親父の「ホラ話」はラストで息子に語らせる事で、とても優しいおとぎ話として完結して行きました。
何より、親父が語らなかった「本当の親父」のエピソードの方が、ぴよにはよっぽどドラマティクでステキだったと思うの。 それにコレは「ホラ吹き」の基本だけど(をい)、「全て作り話だと誰も信じない。事実の中に演出として他愛のないウソを潜ませる」という王道をきちんと守っていて、この「事実部分」と「ホラ」の微妙な(ある意味意外な)バランスが、この映画をよりステキにしてくれてると思いましたワ♪
これは映画の感想ではなくなってしまうけど、 今は亡きぴよのパパが正にこのエドワードのような「ホラ吹き親父」の典型でネ、事実もちゃーんと散りばめられてんだけど、話してる内にどんどんエンターテイメント化(笑)して行って、「演出段階」で随分話が摩り替わって、最終的に大ウソのオチが付くというお茶目な親父だった。 ぴよはパパの「本当半分・ウソ半分」のお茶目なホラ話が大好きだったんだけど、ママはよく「またウソばっかり!」って始終プリプリ怒ってましたねぇ(^-^; 丁度この映画の設定「妻は親父のホラ話を愛し、息子は嫌悪する」が全く逆のパターンでした。
でも、エドワードの語るホラ話は決して自分を英雄視させる為のものではなかった。 ぴよパパのホラ話も、いつもそこにいる誰かを心の底から楽しませる「極上のエンターテイメント」だった。
面白味を感じない人も多いかもしれない。「展開がぬるい」って言う人もいるかもしれない。 好き・嫌いが割りとはっきり分かれる作品なんじゃないかと思うんだけど・・・ぴよは亡きパパを重ねて懐かしみ、エドワードの話にワクワクし、そして彼を取り巻く全てのキャラ(息子もネ)の心情に共感し納得し、ラストで息子・ウィルが語る壮大で神話的なおとぎ話には思わず涙がこぼれました。
そんなぴよもパパの血を色濃く受け継ぎ、相当な「虚言癖」アリアリなヤツです。(笑)
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