2004年03月10日(水) |
きょうのできごと a day on the planet |
監督:行定 勲 出演:田中麗奈 妻夫木聡 柏原収史、他 オススメ度:☆☆☆☆
【あらすじ】 京都の大学院に進学が決まった正道の引越し祝いに集まった仲間達。中沢と恋人の真紀、真紀の友達で中沢の幼馴染みのけいと、そして同級生の西山達。したたか酔っ払った真紀は西山の髪を切り始め、けいとは気弱な美少年かわちを口説きにかかる。TVにはビルに挟まれた男のニュースが流れ、その頃浜ではクジラが座礁していた・・・
【感想】 大阪出身の女流作家、柴崎友香氏の同名タイトル小説の映画化。 出演俳優がとにかく豪華で、今の日本映画界で「客が呼べる」人気若手役者が勢揃い。それぞれの役者が、自分を主張しつつも自分だけが際立たないという微妙なバランスでエピソードを繋いで行きます。
話の主軸は正道の引越し祝いというイベント。そこにTVニュースで映し出される「ビルに挟まれた男」と「クジラ座礁」に出くわした少女のエピソードが絡むようで絡まないような、微妙な位置付けで登場して来る。
それぞれのエピソードに登場する人々のちょっとした出来事がバラバラに映し出されて行くんだけど、見ていて混乱する事もなくすっきりとまとまっているし、各々のエピソードがどこかで少しずつ繋がっているという面白い趣向。 ちょっと「ラブ・アクチュアリー(2003.12.15の感想参照)」を彷彿とさせる作りです。
この映画に登場する人物達に起こる出来事は、ほとんどが「どこにでもあるありきたりな日常の出来事」ばかりなんだけど、そのどれにもささやかなユーモアが散りばめられていて、非常に好感度高いです♪ ぴよが常々思っている「普通の人々の、普通の出来事程面白いものはない」というのを、正に映像化してくれている。 何も起こらない日常程、人生はドラマに満ちていると実感させてくれる。
設定が関西なので、役者さん達のほとんどが関西弁でまた〜りと会話しているんだけど、関西弁を堪能に操る方々にはかなりの違和感があるかもしれません。(名古屋人のぴよが聞いても多少の違和感は否めませんでしたから) でも、もしこの作品を関西人じゃない役者さんを多く使うからという理由で設定を東京にしていたら、これほどステキな映画にはならなかったんじゃないだろうか? 関西人の方々にたとえ「こんな喋り方せぇ〜へん!」とつっこまれようが、このわざとらしいマタ〜リとした関西弁だったからこそ、独特の空気感が生まれたんじゃないかな?と思ったんだけど。
何も起こらない日常ほど、実は色鮮やかな人生のドラマが隠れている。 ただそれをどう料理して観客に見せるかが、監督の力量なんだろうと思うんだよね。 そういう意味では、この作品はとてもステキに仕上がっていると思うな♪
矢井田瞳ちゃんのまた〜りした主題歌もハマってる。 ぴよ、オススメの一作ですネ♪
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