監督:フランシス・ヴェベール 出演:ジャン・レノ ジェラール・ドパルデュー アンドレ・デュソリエ、他 オススメ度:☆☆☆☆
【あらすじ】 ケチな強盗事件で逮捕されたカンタン。彼は目が覚めている間中マシンガントークを続けるオシャベリ男で、同室になった囚人と次々とトラブルを起こす問題児。一方恋人を殺された復讐に燃えるルビーは、現金強奪事件の容疑者として刑務所に入っても一言も口を利かず脱獄の策略を練っていた。 ルビーと同室になったカンタンは、ルビーが一言も口を利かないのは自分の話を聞いてくれているのだと勝手に勘違いして、ルビーを親友だと決め付けて終始ベッタリ。いよいよ脱獄の機を狙ったルビーだったが・・・
【感想】 ジャン・レノ×ジェラール・ドパルデューという、日本でもお馴染みフランス2大俳優が共演するフレンチおバカ映画。 監督はぴよお気に入り映画「メルシィ!人生」のメガホンを取ったフランシス・ヴェベール氏という事で、結構期待も大きい一作です。つーか、この豪華なキャスティングでどーして単館ロードショーかなぁ???
フレンチ・コメディというと、ぴよ的に「ツボに入れば大当たりだけど、ダメだと思ったら徹底的にダメ」っていうイメージがあるのですが、本作は映画冒頭から思いっきりツボ入りまくって大笑いの連続です♪
ドパルデューがとにかく喋り倒すただのアホの怪力男、そしてジャン・レノは寡黙なハードボイルド男という、それぞれがいかにもなキャスティングなんですけど、この組み合わせは大成功♪ ジャン・レノのキャラでバカ映画に出演ってどーなの?と思ってたんだけど、こういう役回りと組み合わせだったらジャン・レノでも充分コメディに使ってハマる、という好例になったんじゃないかと思う。
ちょっと気になったのがドパルデューの体。 先に鑑賞した「ミッション・クレオパトラ(2003.12.2の感想参照)」では腹にアンコ詰めてたとはいえ、かなりの大デブぶりを披露してくれたんだけど、今作では「クレオパトラ」時に見せてくれた巨漢ぶりは何処へ行ったのやら?顔も体も驚くほどスリムになってて、映画中でドパルデューを「デブの怪力男に云々・・・」と表現するくだりがあるのですが、全くデブというイメージがありません。ちょっぴり心配になっちゃう程痩せちゃってました。
ハードボイルドを絡めたコメディは多々あるけど、この手のコメディでぴよが1番嫌いなのは「絶対に失敗が許されない場面で、ボケ役がお約束通りドジを踏む」という展開なんだけど(これが圧倒的に多い)、この作品の好感を持てる部分は、押さえなきゃ行けない場面ではボケ役もカッコ良く(?)キメてくれる、という事。 常にマヌケでアホでどーしようもないカンタンだけど、ルビーが本当にピンチな時はきちんと助けてくれる。 ハードボイルド君がピンチな時に大失敗をやらかすよーなヤツにはまるで好感が持てないけど、このカンタン君のよーなアホだったらジャン・レノじゃなくても誰もがうっかり好きになっちゃいそうです(笑)
とってもステキに話が進むのに、何故かクライマックス辺りに差し掛かって来ると、突然この映画は追っ付け仕事のようにバタバタと話をまとめにかかってしまっている。それが本当に勿体無いと思った。
逃亡中に出会った女との絡みも途中で放置されているし、散々「人殺しはよくない」とカンタンに語らせていたのに、結局はルビーは自分の方針を最後まで貫き通してしまう。先に何度もカンタンがルビーに人殺しを止めさせようと説得していたくだりが全く生かされていない。 もう30分上映時間を長くしてもいいから、ここのラストのくだりを先の展開を踏襲した納得出来る形に持って行った方がずっと良くなったんじゃないかと思うんだよね。女とのその後もどうなったのか判らないし、カルタンとルビーがその後どうなるかも投げやりに終わってしまうのは、余りに勿体無いと思ったのよ。
でもネ、このキャラと設定だったら続編が作れそうな予感はあります。 シリーズ物にしてもらっても全然Okだなぁ〜♪もし続編出来たら絶対に見に行っちゃうヨ♪
|