監督:ジェームズ・フォーリー 出演:エドワード・バーンズ ダスティン・ホフマン レイチェル・ワイズ、他 オススメ度:☆☆☆+
【あらすじ】 天才詐欺師・ジェイクと仲間達は、今回も鮮やかな手口でとある男を罠にハメて15万ドルをせしめた。ところがこれが間違いの元、その男の金は暗黒街の大物「キング」の金だったのだ。仲間の1人を殺されてうろたえるジェイク達だったが、キングと交渉の末にマフィアの資金浄化銀行から金を騙し取って山分けしようという話になった。 騙し取る金額は500万ドル―お目付け役にキングの手下と、町でスカウトした美貌の女スリ・リリーを加えて、計画は順調に進みだしたかのように思えたのだが、執拗にジェイクを追うFBI捜査官・ビュターンの登場で計画に綻びが出始める・・・
【感想】 ジェームズ・フォーリー監督・最新作・・・って、今公式HPで調べたんだけど、ぴよは彼の監督作品をどうやら1つも見た事がないらしいと判明。そりゃ〜聞き覚えがない訳だ。(笑) でも出演してる役者はスゴい。主人公・ジェイクはエドワード・バーンズ、キング役は重鎮ダスティン・ホフマン、お色気ムンムンの女スリをレイチェル・ワイズ、そして執念のFBI捜査官・ビュターンを演じるのはアンディ・ガルシア@エッチな顔のナイスガイという豪華な顔ぶれ!
話は天才詐欺師・ジェイクが何者かに殺されるシーンから入り、殺されたジェイクの天の声で、どうして自分がこんな事になってしまったのか?・・・というのを回想して見せて行くという形式。 詐欺師を題材にした映画というと、ぴよは去年の秋に見た「マッチスティックメン(2003.10.1の感想参照)」をまず思い出してしまいますが、あの作品に比べるとこちらの方がグッと獲物が大きく、手口も巧妙な感じがします。
巧妙な手口だと思ったのは映画冒頭のキングの金をせしめる所までね。 肝心の500万ドルを頂こうというプランは余りに杜撰だし(でもこれは映画中でも仲間に総ツッコミされてる。笑)、人選も行き当たりばったりで「こんな素人をメンバーに加えていいんかいな」と、少々不安になるんですけど・・・
この映画は見誤っては行けないポイントが2つあると思うんすよ。
まず1つ目は、彼らの詐欺る手口自体を楽しむモノではない、という事。 最初から「こういう手順で金を取りましょう」とネタが明かされているので、これを今更楽しむヤツはいないだろうけど、それにしても肝心の500万ドルを詐欺るプランがショボ過ぎるんだよね。でもここの部分は目をつぶって、このくだりはむしろメインキャラの人間模様を見る事を楽しむシーンだと思うんだ。
そして2つ目。これが肝心。 この映画は「誰をハメようとしているのか?」というのがキモではないという事。 言っちゃ何だが、ジェイク達の狙いはこの手の映画を見慣れてる人ならかなり早い段階で見えてるハズ。 映画を見終わって「私、あの人がハメられるのは判ってたわ♪」なんて得意げに語るのはご法度です(笑)
ぴよがこの映画のキモはここだな!と思ったのは(以下、かなりネタバレの可能性大ですので注意して下さい) 【誰がハメられていたのかという事じゃなくて、誰がグルだったのか、という事だと思ったんだけど】 あのクライマックスシーン(ネタの種明かしのシーンね)には、思わず笑っちゃったもん! 「ナルホドね、この展開なら全部辻褄は合うしキレイにまとまるわー!」って。
たとえぴよが白抜きにした部分まで見透かしていた人でも、見てて楽しくなかったですか?結構楽しめましたよね? 映画を見ている間、ずっと劇中のキャラクターをハメているように見せていて、実はこの映画は見ている観客をハメようとしていたんだ・・・という、かなり手の込んだ作りになっていたと思うんですよ。
ここまで褒めちぎっているのに、オススメ度が低くないですか?とツッコミを入れたい方、それには理由があるんすよ。
ダスティン・ホフマンの「キング」・・・彼の顔もキャラクターも、暗黒街の大物にはまるで見えません! それからやっぱり500万ドルをせしめようとするプランの杜撰さ・・・加えてうまく行くハズがないと誰もが思えるプランにも関わらずとんとん拍子に進んでしまう展開、これは余りに強引過ぎると言わざるを得ないでしょう。
そんな小さな綻びくらい、見逃してやればいいじゃないかと言われればおっしゃるとーりですが、 これが作品をB級臭くしてしまう要因になってしまうとぴよは思うし・・・それが作品にとって最も大切な事だと思うんだ。
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