2004年01月27日(火) |
ドラッグストア・ガール |
監督:本木克英 出演:田中麗奈 柄本 明 三宅裕司、他 オススメ度:☆☆☆☆
【あらすじ】 薬科大学に通いラクロス部で頑張る大学3年の大林恵子。ある日同棲中の彼氏の浮気を知って、ショックの余り電車に飛び乗り見知らぬ東京郊外の駅に降り立った――寂れた商店街で一際輝くネオンに吸い寄せられて行った先には翌日にOPENを控えた大型ドラッグストアがあり、勢いでそこのバイトが決まってしまった。一方大型ドラッグストアの開店に戦々恐々の地元商店主のオヤジ達は、地元の坊主と謎の浮浪者らを誘い、商売敵を襲撃しようと企んでいたのだが、恵子を見た途端に彼女の虜になってしまった。何とか恵子と仲良くなりたいオヤジ達はラクロスを始めるのだが・・・
【感想】 「釣りバカ日誌」シリーズの監督を手掛けるなど、一貫してコメディを撮り続ける本木克英監督の最新作は、笑顔がキュートな田中麗奈ちゃんを主演に据え、脚本は破竹の勢いの売れっ子脚本家・宮藤官九郎という豪華なメンバー。
田中麗奈ちゃんだけが一際輝く存在で、彼女の周りを取り囲むのは一癖も二癖もあるベテランおやじ俳優陣。 このアンバランスな取り合わせが実に絶妙で、とにかく映画冒頭から笑って笑って笑い転げる! コメディには初挑戦だという麗奈ちゃんですが、おやじチームとのコントラストも見事にハマり、彼女自身もすっかり役になり切って、真面目なんだかすっとぼけてんだか訳のわからない魅力的なキャラクターを作ってます。
この映画は麗奈ちゃんが主役という事になってますが、実際はおやじ達の話ですね。 このおやじ達の会話が、とにかく楽しくて楽しくて仕方ない。イマドキの若者言葉の発音に一々言い直したり、とぼけた間のツッコミが入ったり、大真面目に下らない計画を相談し合う姿に笑えないヤツは絶対にいない! 特にぴよのお気に入りキャラは、常にインディアンスタイルのホームレス・ジェロニモ(ネーミングセンスも冴えてる!) 彼のキャラクターを思い付いたクドカンは天才だよ!スゴ過ぎるキャラクター!!
他にも暗い過去を持つ薬剤師役の余貴美子、その余りにキワモノなキャラクター振りに、映画かかなり進むまで誰が演じてるのか気付かなかったよ!更に柄本明が演じる鍋島(薬局経営)の息子で、恵子の大学の先輩役が荒川良々ってのはどーなのよ!?ここまでキワモノの配役は卑怯だってば!(^_^;)
話はおやじ達と女子大生の交流に寂れた郊外の町おこしを絡め、実に澱みなくいいテンポで進んで行くんだけど、映画の途中で突然この爆笑ムードが一気に色を変える部分があって、それがぴよには少々不満だった。
以下、ネタバレに付き(オチには関係ありませんが展開上重要かもしれない)ドラッグする方は心して下さい。 【ラクロスの試合中に、メインキャラのおやじの1人が心臓発作(脳溢血なのか?)でこの世を去る。】 正直言ってこれはやり過ぎだったんじゃないだろうか? 映画を見ていて、それまでどのシーンでも大笑いしていた観客が「え・・・?」と、一様に怪訝な顔になりましたもの。 あそこまでしなくても、例えば【心臓発作を起こし、一命を取り留めたものの入院を余儀なくされた】程度のソフトな展開でも充分だったんじゃないだろーか?
後、アメリカからやって来たチームとの親善試合(果し合いだな、アレは)のシーンも少々ダレた。 もう少しあのシーンはタイトでも、全然映画の面白味を損ねるモノではなかったと思う。
と、ちょっと辛口批評しましたが、この映画はかなり面白いです! 特に中高年の方には大ウケ間違いなしだと思う!勿論若い人が見ても絶対に笑えますよ♪ ただ・・・この映画を中高年のオジサマがどれくらい見てくれるんだろう?(^_^;)
たとえオジサマが見ても楽しめる映画を作っても(それも本当に面白いのに)、田中麗奈ちゃんもロクに知らないオジサマ達にうまくアピールする方法がなければ、目に触れる事無く葬り去られてしまう。
それが1番勿体無いと思うのだ。世のオジサマ達よ、たまには映画館に足を運びましょうよ!
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