監督:トラン・アン・ユン 出演:リュ・マン・サン トラン・ヌー・イェン・ケー ヴォン・ホア・ホイ、他 オススメ度:☆+
【あらすじ】 1951年サイゴン。まだ平和なこの街で生地屋を営む一家に奉公人としてやって来た10歳のムイは、この家で料理や家事全般を1から仕込まれて真面目に働いていた。奉公先は放蕩者の主人、細々と商売をして生計を支える奥さん、3人の息子、そして嫁に辛く当たる主人の母がいる一家だったが、生きていればムイと同じ年になるハズの娘・トーの死がこの一家に暗い影を落としていた。長男が連れて来た友人クェンに密かな憧れを抱くムイ。 それから10年後、長男が結婚した事で暇を出されたムイは、子供の頃から憧れていたクェンの家に奉公に行くのだが・・・
【感想】 憧れの国・ベトナム。ベトナムの映画って見た事なかったなぁ〜と思って借りてみました。ちなみにDVD化されてません。それどころかネットで調べたらこのビデオすら絶盤になってました(苦笑) 今作品はカンヌ国際映画祭で新人監督賞を受賞し、更にアカデミー賞外国語映画賞にノミネートまでされています。ちなみに製作年は1993年だからもう11年も前の映画なのさ。つーか、そんな大そうな賞まで取ったのに絶盤なのかよ(^_^;)
ベトナムの映画だー♪と思って見てたんだけど、実際に撮影されているのはフランスで、ベトナムでは一切ロケはしていないそうです。サイゴンの町並みも全てパリ郊外の、しかも建物の中でセット組んで撮影されてるそーです・・・なぁんだ。 監督さんも出演者も全てベトナム系フランス人。ベトナム戦争時にフランスに亡命したベトナム人が沢山いたそうで、そんな人達によって古き良きベトナムを再現した映画、と考えればいいのでしょう。
てな訳で、見ててさっぱりとんちんかんです。(爆) ベトナム人が作ったベトナムの映画と言うよりも、西欧人が見た「良きベトナム」のイメージというのが先行してます。 建物や小道具が、一家の生活水準からかけ離れた妙にゴージャスでコ洒落たモノだったり、金持ちの家はALL西欧式の豪奢な調度品にズラズラとアジアン陶磁器や仏像の頭が並べてあったり、一体全体ここは何処の国なんだ!?と首を傾げたくなるよーなおうちなんですが・・・イメージとしては「キレイなベトナム」なので悪くはないんですけどね(苦笑)
それより何より、話がまるで訳わかんなかった!(痛い!痛過ぎる!!)
たぶんこの映画は主人公・ムイの半生を見せている映画なんだろう?と思うんだけど、色んなネタがバラバラに提示されて、しかもどのネタもまとまらずに放り出されたまんまになって終わってるってのはどーなんだい?
ムイの奉公先の奥さんは、亡くした一人娘をムイに重ね合わせて可愛がるという設定ですが、それも中途半端ですし。 一人娘を亡くしたのは自分の放蕩のせいだと心に傷を持ってるハズの主人は、有り金持って愛人宅に失踪。挙句帰って来たと思ったらコロリとお亡くなりになるというオマケ付きで、一体全体アンタは何考えてたんだい?とツッコミどころ満載。 動物(虫)虐待が趣味の次男と屁コキ虫の3男って・・・なんなんだYO!この家族はYO!!(爆)
また、ベトナムの雰囲気を出したかった?のか、意味不明なBGMのチョイス。 西欧人が想像するアジア〜ンな音楽はコレなのでしょうか・・・本来なら心華やぐシーンや官能的(であろう)シーンで、何故かおどろおどろしい「本当にあった怖い話」で使われそうな音楽がドロ〜ンと流れて来る(苦笑)
映画全般通して絵も暗過ぎて、これで後ろに稲川淳二が顎下から懐中電灯照らして立ってたら、間違いなく別のジャンルの映画だと勘違いする事間違いなし!の恐怖映像状態になってるんですけどー!!
何かが完全に間違ってる・・・が、逆にツッコミながら見てると案外楽しめちゃうから映画って判らないんだな(をい)
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