監督:クァク・ジョエン 出演:ソン・イェジン チョ・スンウ チョ・インソン、他 オススメ度:☆☆+
【あらすじ】 恋に悩む女子大生・ジヘは、ある日古ぼけた小箱を見つけた。そこには母が時折読み返しては涙していた、35年前の母の切ない恋の逢瀬を綴った書簡と日記が入っていた。若かりし頃、母は父ではなく父の友人と恋をしていたのだ―― 身分違いや時代の波に翻弄され、結局叶わなかった母の初恋。だがその母の悲しい初恋の痕跡が、親友の恋人へ秘めた恋心を抱くジヘに、一つの奇跡を呼び起こす事になるのだった・・・
【感想】 一昨年「猟奇的な彼女(2003.1.24の感想を参照)」で爆発的ヒットを飛ばしたクァク・ジョエン監督の最新作。 「猟奇的〜」は、ぴよの中でもウルトラスーパーお気に入りの一作。DVDを買おうか今もまだ悩んでるんだけどぉ〜(笑)
さて、本作の話に戻しましょう。 主演のソン・イェジンちゃんは、この映画で第40回韓国アカデミー賞新人女優賞を受賞。更に日本でも今超話題のドラマ「冬のソナタ」のユン・ソクホ監督によるTVドラマ・四季シリーズ「夏の香り」のヒロインにも抜擢されて、今韓国で1番ホットな女優さんになっているそーです。
他にも脇を固める俳優陣は、今韓国で話題のモデル出身の若手新人や人気実力若手俳優をふんだんに起用、これで韓国国内で何の反応もなければウソでしょー!状態の、正に鳴り物入りの一作と言っていいでしょう。 実際、初登場は4位だったものの、その後口コミでジワジワと人気を集め、最終的には並居る大作を押しのけて8週連続トップ10入りを果たし、200万人の観客を動員した大ヒットになったそーです。
が。 (←またこのパターンかよ)
ぴよにはどーもイケてなかったですわー(^_^;)
まず、上映時間が長過ぎる。 この作品、2時間9分もあるんですよ。恋愛モノで2時間越えって相当長いとぴよは思う。 必要のないエピソード、またはここまで細かく見せなくてもいいでしょー的エピソードが多過ぎる。
そして主要キャラクターに魅力がない。 「魅力がない」と言い切ってしまうのもどうかと思うけど、どうしても「猟奇的な彼女」と見比べてしまうんですよ。これはあの映画が好きだった人なら致し方のない事だと思うの。
この映画は、あくまでも現代の恋に悩む女子大生・ジヘの視点で描かれているものの、映画の核になるのは彼女の母親の初恋の話なのだ。母親の若かりし頃の恋の様子がどれだけ色鮮やかで、母親の娘時代がどれだけ愛すべきキャラクターだったか・・そしてその娘であるジヘのキャラクターが、どれだけその母親に肉薄しているかで、この映画の魅力は決定付けられると言っても過言ではないと思う。 ところが、この母親の娘時代と言い、娘のジヘと言い、まるで魅力を感じさせないのだ。
映画中、かなり笑わせてもらえるエピソードがいくつも登場するんだけど、それがヒロインのキャラの肉付けとして使われていないんだよね。これが1番痛かった。 笑えるポイントは全てヒロインの周りの出来事で、ヒロインはあくまでも楚々としてゆるぎがない。周囲からのアプローチに応えるしか脳のない恋愛ヒロインなんて、30年前の昼メロで既に使い尽くされて飽きちゃってますよぅ!ってな感じです。 (今日も吠えまくりか?苦笑)
先の展開もミエミエで新鮮味はないし、やたらに出演者達を泣かせて観客に共感させようとする「お涙頂戴」な作りも、すっかりこの手のネタにはスレ切ったぴよにはまるで通用しないんだYO!(をいをい)
ただ、決して悪くはない脚本だとは思う。 本筋の展開だけを考えると、決してそれ程酷評する作品ではないんですよ。 「猟奇的な彼女」がウケたのを意識し過ぎたのか?話の展開にまるで絡まない「ただ笑えるだけ」のエピソードを入れ込み過ぎたのが、逆にこの映画のトーンから浮いてしまったんじゃないかと思う。 ここは大胆に、思いっきりベタベタでウェットな恋愛映画にしちゃっても、この作品の色なら充分イケたと思うんだけど。
要するに「バランスが悪い」って事なんだよなぁ・・・でも、コレって結構大事な事だと思うのよネ。(^_^;)
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