監督:ロジャー・ドナルドソン 出演:アル・パチーノ コリン・ファレル ブリジット・モイナハン、他 オススメ度:☆☆☆☆+
【あらすじ】 ジェイムズ・クレイトンはM.I.T(マサチューセッツ工科大学)主席の学生。卒業を控えたある日、ジェイムズの元へC.I.Aのベテラン教官であり腕利きリクルーターのウォルター・バーグがやって来た。彼にC.I.A入りを勧められたジェイムズは最初は取り合わなかったものの、バーグから「父の死」に関する事を仄めかされて大きく心が動く。 ―不審な事故死を遂げた父がC.I.Aに何か関係していたらしいのだ。父の死の真相を知りたいジェイムズは、C.I.Aの採用試験と面接を受け、見事突破して特別訓練基地《ファーム》でトレーニングをする事になったのだが・・・
【感想】 重鎮アル・パチーノと今ノリにノッてる若手最注目株コリン・ファレルの話題の競演作。 この映画、実は昨年夏にエジプト旅行した時に機内上映してたんだけど、日本語字幕も吹替えもなくて、(せめて英語字幕があったら・・・って、あったとしても訳わかんないんだけど。苦笑)涙を飲んで見送った一作だったのねん。
コリン・ファレル君、実はぴよはそんなに興味のある俳優さんじゃーないのね。つーか、あの眉毛何とかしろよ!(笑) ・・てな訳で、なかなかウマイ若手俳優さんだなぁと思っても、ビジュアル的に触手が動かないので、彼の出演作はほとんどチェックしてるハズなのにどーにもピンと来てなかったのですわ。
この偏見を改めざるを得ないです。はい。
アル・パチーノがウマイのは今更ここに書くまでもない。ぴよも大好きな役者さんだし、今作でもその溢れるカリスマ性と存在感と空気感を醸し出して、見事なまでにC.I.Aきっての腕利きリクルーターを演じています。
そのアル・パチーノに食らい付く・・・むしろアルを凌駕する程の熱演をコリン君がやってのけている! 彼は今後どんどん成長して、必ずオスカー俳優になるでしょう。うん。ぴよが保証しますYO! (ぴよに保証されても嬉しくも何ともないでしょうけどな。ふはははは)
話は基本的に2段階に分かれている。 第1段階はジェイムズ青年がC.I.Aに見染められて訓練を受けるまで。 そして第2段階はC.I.Aの捜査官になってから。 第2段階に突入するといよいよ話が大きく動く・・・と言うか、第2段階に入って話がバタバターッと急展開して怒涛のラストまで一気に引っ張って行く。この展開が非常にスリリングで、本当に一瞬の気も抜けないのですわ。
もちろん第1段階のC.I.A捜査官になるまでの訓練の様子も実に興味深い。 今までC.I.Aを舞台にした映画はそれこそ星の数程あったと思うけど、C.I.Aのエージェントになるまでの「新人教育」を舞台に取り上げた作品はなかったと思う。 誰もが「どんなヤツがC.I.Aのエージェントになるんだろうなぁ」と1度は考えた事があると思うけど、実際にそれをネタにしようと誰もしなかったというのが今になってみれば驚きです。
この第1段階までの展開で、後の第2段階の展開に対する布石がふんだんになされている。特にアル・パチーノ演じるバーグのセリフは、後の種明かしをより効果的に楽しませる為に観客をリードしていく、実にウマイ作りになっていると思う。
黒幕云々のオチネタ・・・ここの部分は、ミステリーやサスペンスが好きな人なら途中で察しが付くでしょう。 察しが付くから面白くないのか?・・・いえいえ、決してそんな事はありませんヨ♪ そこに辿り着くまでのプロセス、出演者達の心理戦を見ている内に、観客達の心理すら嘲笑うかのように翻弄していく素晴らしい脚本になっていたと思う。 役者の演技もその脚本を裏切らない真に迫るモノがあった。
サスペンス好きを充分に楽しませてくれる、久々に大当たり映画に出会いましたわ♪
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