2004年01月07日(水) |
ミスティック・リバー |
監督:クリント・イーストウッド 出演:ショーン・ペン ティム・ロビンス ケビン・ベーコン、他 オススメ度:☆☆☆☆−
【あらすじ】 ジミー、デイブ、ショーンの3人はボストン郊外で少年時代を過ごした幼馴染みだった。3人の無邪気な少年時代は辛く悲しい事件によって終わりを告げる・・・11歳のある日、デイブが誘拐されたのだ・・・しかもジミーとショーンの目の前で。4日後に自力で逃げ出したデイブは心と体に一生残る深い傷を残し、残る2人も自分達の無力さに苦悩する事となった。 25年後、疎遠になっていた3人は再び忌わしい事件によって結び付けられるのだ。ジミーの娘が殺害され、事件を担当する事になったのが刑事になったショーン、そして最重要容疑者があのデイブだったのだ。
【感想】 全米でベストセラーになったデニス・ルヘインの同名小説の映画化。監督は名優クリント・イーストウッド。TVや雑誌等でも今年度のアカデミー賞大本命だと大騒ぎの一作だぞー!
娘のケイティを惨殺されて血迷う父親・ジミーを演じるショーン・ペンがうまい!彼はこの映画でオスカー主演男優賞のノミネートは確実だと言われていますが、さもありなんの巧みな演技で観客をぐいぐい引っ張って行きます。 ショーン・ペンだけでなく、この映画に出演している俳優はどいつもこいつも芸達者揃いで、よくこれだけ粒揃いの名優を集められたもんだと感心しちゃいますね。
話の伏線の張り方、小道具の見せ方、展開、演出、脚本、どれを取っても文句なしの実にウマイ作りになってます。 しかしながら、ミステリーとしても非常に巧みな作りになっているとは思うものの・・・ (以下超ネタバレ?につき、未見の方は決してドラッグしないで下さい!) 【映画前半のとあるシーンに気付いて「あれ?」と思った方】は、かなり早い段階で犯人が誰だか判ってしまうでしょう。 (実はぴよもその1人です。はいぃ〜。苦笑)
犯人が誰であるか、なんてこの映画ではどーでもいい事なのです。(ホントか?) この映画の1番のキモは、心に深い傷を負った3人の少年が大人になり、そしてその心の闇と対峙しなければいけない時に、3人の心はどのように動くのか・・・そういう心理描写の側面。
少年が大人になる時――そこには苦悩や葛藤があり、そして人に語れないような秘密やトラウマを心に作る。トラウマを抱えて大人になったかつての少年達は、自分の心の闇にどう対処して行くのか・・・ ジミーが警察でショーンに語る一節は含蓄が深い。 「もしあの車に乗っていたのがデイブじゃなくて自分だったら・・・」
そしてジミーの告白に答える妻のセリフ 「あなたは王様だから。あなたは愛する人の為ならどんな事でもするのよ」 ・・・何か薄ら寒い気持ちになってしまったのはぴよだけでしょうか。
ハッピーエンドは有り得ないと判っていても、見ていてあまりに切ないラストシーンには胸が重たくなってしまう。 映画の作りとしては非常に評価出来るものの、ぴよは正直言ってあまり好きな映画じゃないですネ(苦笑)
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