2003年12月15日(月) |
ラブ・アクチュアリー |
監督:リチャード・カーティス 出演:ヒュー・グラント リーアム・ニーソン エマ・トンプソン、他 オススメ度:☆☆☆☆
【あらすじ】 独身ハンサム英国新首相の一目惚れ。妻を亡くして悲嘆に暮れる夫の苦悩。弟に恋人を取られたミステリー作家。夫の不倫に勘付いてしまった妻。片思いの同僚に気持ちが伝えられない女。かつての持ち歌をアレンジしたクリスマスソングで再起を狙う老いぼれロック歌手。親友の新妻に恋してしまった男。イギリス女に嫌気がさしてアメリカで彼女ゲットを狙うモテない君。そして偶然撮影現場で出会った映画スターの代役同士・・・それぞれの愛はクリスマスに向けて動き出す。
【感想】 「ノッティングヒルの恋人」「ブリジッド・ジョーンズの日記」等の脚本で、世界中のラブコメファンを魅了したリチャード・カーティス氏が初メガホンを取った作品。他の製作者には「ノッティングヒル〜」「ブリジット〜」の製作メンバーに加え、世界的大ヒットを飛ばした作品を手掛けた錚々たるメンバーを布陣して万全の体制。
製作メンバーだけでなく、この映画はキャストがスゴイ! 上記の「出演」リストに挙げた3人以外にも、アラン・リックマン、コリン・ファース、キーラ・ナイトレイ、ローラ・リニー、ビリー・ボブ・ソーントン、ローワン・アトキンソン他、出演俳優がそれぞれ主演級の大物揃いで、よくこれだけの大スター達を一同に集められたものだと感心しちゃう!!
話の展開が非常に面白くて、これらの出演俳優達がそれぞれ全く違うシチュエーションと違う立場で、各々が「愛」にまつわるエピソードを同時進行で進めて行く。それぞれに「愛」にまつわる話は独立していて全く違うシチュエーションであるものの、話のどこかで各々のキャラが人間関係上繋がっていたりする小憎い演出もスゴイ。
10人いれば10通りの愛の形がある。 それは片思いだったり、親子愛だったり、夫婦の愛だったり、不倫愛だったり、友情だったり、同性愛だったり・・・様々な愛の形を、決して突飛な状況やキャラクターではなく、どこにでもいる普通の人々が普通に感じている愛の問題を、至極真正面から普通に取り上げているのだ。
これがすっごく感じいい♪
各々のエピソードにそれぞれ主演級の役者を使っているものの、どの役者のどのエピソードも自分を主張しないで、あくまでも「普通の人々」として演じ切っているし、これだけの役者を普通にまとめ上げた演出・脚本も秀逸だったと思うわ♪ 映画中に使われるラブ・ソングのチョイスも絶妙!きっとこの映画のサウンドトラックCDが発売されたら売れるわネ♪
「普通の人々の普通の愛の話」の羅列だからといって、退屈なエピソードはない。 きっとこの映画のエピソードの中に、1つは「あぁ・・この気持ち、よく判るわぁ〜」と思える話があるハズ。 最近の恋愛映画って、有り得ない状況だからこそ楽しめるという「キワモノ系恋愛映画」が多かったような気がするんだけど、これだけ普通の愛を羅列してホッとさせたり共感させたりほのぼのさせられる映画ってなかったんじゃないだろうか?
ベタベタ恋愛映画にしないで、各々のエピソードの中の随所に「ププッ」と笑えるシーンを挿入する小技も、さすが長年に渡り「Mr.ビーン」の脚本を手掛けて来たリチャード・カーティスならではの鮮やかな芸術。
ただ、難癖付けるとしたら以下の2点。(←ぴよって本当にイヤなヤツよねぇ・・・苦笑)
まず1つ目は、これだけの大物役者を揃えてエピソードを羅列していくので、どうしても上映時間が長くなってしまう。 ラブコメ物で2時間15分という上映時間とは、余りに長過ぎたと思う。 ぴよは見終わって、2つくらい省いても映画の大勢や出来に影響がなかったんじゃないか?と思うものがあったわネ。
もう1つは・・・ これは映画の出来・不出来の問題ではなく、映画公開の時期の問題。 この映画は来年1月末か2月くらいの公開予定になってるんですよ(ぴよは配給会社の完成披露試写会で見ました) 映画は全て「クリスマスには誰もが素直になれるから、クリスマス当日の今日こそ自分に正直になろう!」というオチに繋がる「クリスマス・ラブ・ストーリー」なんですよ。
本当に素晴らしいクリスマス・ラブ・ストーリーに仕上がってると思う。 アメリカでは今正に公開中のようですが、どうしてUIPジャパン(超おマヌケな配給会社はここだ!怒)は頑張って日米同時公開にしなかったんでしょうか?この映画、クリスマスの終わった年明けに公開しても、間が抜けちゃって全然映画の良さが伝わらなくなっちゃうじゃないですか!! きっとこの映画が公開されて見た人の8割は「この映画、どーせならクリスマス前に見たかったよねぇ」と言う事必至!
でもネ、本当に久々にヒットな秀作ラブ物映画でしたよ。 来年正月明けの公開らしいですが、一般公開されたら是非見に行ってあげて下さいよ・・・(涙)
|