監督:三池崇史 出演:本木雅弘 石橋蓮司 マコイワマツ、他 オススメ度:☆☆
【あらすじ】 商社に勤める「和田」は入院した同僚に代わって、急遽自分の専門外のヒスイ輸入の契約の為に中国・雲南省に出張に来た。現地案内人の陳さんと合流出来てホッとしたのも束の間、和田が勤める商社に貸しがあるというヤクザ「氏家」が現れ、借金取り立ての為に契約に同行すると脅して来たのだ。 和田、陳、そして氏家の3人は、電気も通じていない昔ながらの生活を営む少数民族が住む秘境を目指すのだが・・・
【感想】 椎名誠氏の同名小説の映画化。 作品はかなり前のモノです。1998年製作。DVD借りて来て久し振りにおうちでまた〜り鑑賞。
映画全編オール中国ロケをしたそうで、とにかくすんばらしい景色の連続! 個人的な事ですが、年末年始に中国に旅行する事になってるのですっごくワクワクしちゃいました♪ (とは言っても、ぴよが行くのは雲南省ではなくて北京なんすけどネ。苦笑) 某メーカーの「烏龍茶」のCMで使われたような、そそり立つ岩山に薄墨をハケで引いたような霧が立ち込める。 緑濃い山並み、色鮮やかな民俗衣装を着て屈託のない笑みをくれる少数民族・・・何もかもがぴよが憧れる「中国」そのままの風景や様子を、ありのままに美しく撮影されていて超感激モノ!!
話は苦労して辿り着いた中国・少数民族が生活する秘境で、ありのままの自然に触れ、中国奥地に昔から伝わる「鳥人伝説」を通じて自分の生き方やスタンスを改めて振り返り、そして変わって行くというファンタジー(+コメディ)
この映画に出て来る「鳥人伝説」というのが本当に中国にあるのかは知りませんが、この地の少数民族は日本人の祖先ではないかという一説もありますし(だから見ていて何故だか妙な親近感が湧く♪)、日本にも天から人が舞い降りる「天の羽衣伝説」等、似たような鳥人系伝説や民話は数多く残っているので、あながちウソでもなさそうな気はします。
映画中、とにかく際立っているのがマコイワマツ演じる現地案内役「陳さん」のキャラクター! 映画冒頭、和田に話し掛ける第一声が「貴様、もしや和田ではあるまいか!?」だもん(笑) 中国人が使う日本語って、礼儀正しいんだかこっちを小バカにしてるんだかよくわかんない言葉だけど、陳さんの話すメタメタな日本語が正にそれの王道!とにかく陳さんの日本語セリフだけで笑える。
が、 肝心の「秘境の村に触れて変化していく」様子が、どうもぴよにはしっくり馴染まなかった。 主人公・和田は、最初から最後まで「日本からやって来たヨソ者」というスタンスを崩さないし、映画タイトルが「中国の鳥人」なのに、肝心の鳥人伝説自体には傾倒しない。彼が夢中になるのは鳥人学校の先生が歌うスコットランド民謡だけ。 映画の中でキモになるハズの「鳥人伝説」が浮いてしまっているような気がして仕方ないのだ。
氏家の様子や陳さんのセリフ、随所にほくそ笑むポイントがあって楽しませようという気概は感じさせてくれるものの、映画を見終わった後に何が自分の中に訴えかけられただろう・・・と考えると、中国・雲南省の素晴らしい風景しか記憶に残らなかったってのは痛過ぎる。(^_^;)
ステキ風景を見せてくれる映画としては評価出来るけど・・・それだけってのはどうもなぁ(苦笑)
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