監督:キム・ソンス 出演:チョン・ウソン チュ・ジンモ チャン・ツィイー、他 オススメ度:☆☆☆
【あらすじ】 14世紀中国、高麗は明に使節団を送るものの、明は使節団をスパイだと決め付けて彼らを砂漠の果てにある流刑地に送ろうとした。ところが護送中に蒙古軍の襲撃に遭い、明の役人は全員虐殺されて使節団は砂漠のど真ん中に取り残されてしまったのだ。彼らは自力で故郷に帰ろうとするものの、旅の途中で偶然蒙古軍に捕らえられた明王朝の姫に出会った彼らは、姫を明王朝に引き渡せば自分達のスパイ容疑が晴れるのでは・・と考え、姫を救出したのだが。
【感想】 企画・製作5年、総制作費70億ウォン(って何円よ?)、中国大陸1万キロのオールロケという想像を絶するスケールで登場の韓国製作映画。話は一部史実にのっとっていて、14世紀の中国(当時の明)に4回高麗から使節団を送っているのだが、その内の1つの使節団(9人の武士)は高麗に戻る事がなかったんだそーだ。消えた9人の武士は一体何処へ行ったのか?という謎を、この映画は「こんな事だったとしたらカッコいいよねぇ〜♪」とフィクションで作り上げている訳ですが。
使節団の副団長の奴隷だった男・ヨソルを演じたチョン・ウソン、この俳優さんの事をぴよは全く知らなかったんだけど、今後の彼の活動には絶対に注目です! はっきり言うけど近い内に(つーか、この映画が封切りされたら)間違いなく日本でブレイクします!要チェックです!! ストイックで男臭くてしかもかなりイイ男♪アジア通の映画ファンの方なら既にご存知なんでしょうな♪
かなり壮大なスケールで、戦闘シーンはとにかくリアリティを追求した凄まじい迫力の映像! 腕が飛び、首が飛び、血が噴出し・・って、これは先日「キルビル(2003年10月21日の感想参照)」にも同じよーな事を書きましたが、こちらの映画はキルビルみたいな娯楽性はありません。
「ひょえぇぇぇ〜っ」と、思わず顔を背けたくなるくらいリアルなシーンがビシバシと・・・(^_^;)
映画中でも「所詮敵国の姫なんだから、蒙古軍に引き渡せば自分達の命は助かるじゃないか!」という意見が飛び交いますが、ぴよも映画見てて全くそのトーリだと思ったさ。(苦笑)
もちろん当初の目論見は「姫を明王朝にお返しすれば、自分達のスパイ容疑が晴れる」というものだったというのは判っていますが、それでも姫の命を守る為に自分達が死んでしまっては本末転倒というモノだ。 目的が「自分達のスパイ容疑を晴らす為」という事から「ここまで姫を守ったんだから、こーなったら意地だぜ!」と路線変更したが為にここまで凄惨な戦いをしなければいけなかったとしたら、何とこの映画のモデルになった使節団の一行はバカのマヌケなんだろう・・・と思わずにいられない。(をい)
「敵の姫を守る」という理由付けとその後の展開との絡みが弱過ぎる為に、ただただ凄惨な戦闘シーンの羅列に終始する映画になってしまっていて、彼らの崇高なスピリッツを伝え切れていなかったような気がするんだよね。
つーか、凄惨なシーンがクド過ぎ。(^_^;)
ジーンとしたのはクライマックスのバーちゃんの様子だけ。 後は惨殺シーンモリモリの大スペクタクル殺戮映画になっちゃってるのはどーなんだろうなぁ? もうちょっと「MUSA」達の心理描写に肉薄するようなエピソードを盛り込んだ方が、映画として締まったと思うの。
すごく丁寧な作りなのに、肝心の「魂」を感じられなかったのは余りに痛いかも・・・
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