監督:エドワード・ズウィック 出演:トム・クルーズ 渡辺 謙 小雪、他 オススメ度:☆☆☆☆−
【あらすじ】 1870年代、日本の近代化に伴い政府軍に西洋式の戦術を教える為に来日した、南北戦争の英雄ネイサン・オールグレン大尉は、政府軍に反旗を翻す侍「勝元」率いる反乱軍と対決するも瀕死の重傷を負う。勝元はオールグレンのスピリッツに心惹かれ、彼を自分の息子の村に連れ帰り傷の手当てをして一冬を共に過ごす事にした。 勝元の武士道精神に感銘を受けたオールグレンは、やがて1人の武士と固い絆で結ばれてゆく。しかし、2人の友情もつかの間、「サムライ魂」を貫くために、滅んでゆく運命を選ぶしかない侍たちの、最後の戦いが始まった。
【感想】 この冬鳴り物入りで登場のトム・クルーズの新作は西南戦争をモデルにした明治期日本が舞台。 大体からして外国人の描く日本って本当にとんちんかんだし、予告編見て思ったのが「うっわー・・金のかかったクソ映画の予感」ってトコロだったんだけどね(をい)
いや。 意外に面白かったっすよ!!(←こーいう評価はこの手の映画には非常に珍しいです。はい。) 時代考証や諸々はツッコミどころ満載ではあるものの、よくある「日本を小バカにした」捻じ曲げた表現って訳ではなく、すっごく「じゃぱん」が好きで、この時代のじゃぱんがこーだったらいいなぁ♪っていう愛が映画に感じられたわ。
「ラスト サムライ」とは渡辺謙が演じた「勝元」の事。 ハリウッド映画だからトム・クルーズが主役なんだろーけど、実際の映画の主役は明らかに渡辺氏だった。
彼がね、すっごくいい演技してましたわ! 今ハリウッドでは「オスカーの助演男優賞ノミネートもあるか!?」等と噂されているようですが、是非ノミネートしてあげて欲しいですねぇ。英語の発音も相当勉強されていたんぢゃーないでしょうか?ネイティブ・アメリカン・・とは言い難いけれど、それでもこれだけの英語セリフをよどみなく情感たっぷりに表現したんですから拍手喝采モノでしょう。
日本が鎖国を解いて西洋文化を受け入れ、そして近代化の波に乗る事=古き良き伝統文化を捨てる 勝元率いる近代化から日本を守るサムライ軍団=日本の良きモノを残し守る者達 ・・という図式になってて、これは余りにも単純過ぎるよなぁ〜とも思わなくはないですが、映画の展開上こうした方がサムライ軍団に観客が肩入れしやすくなっているので、まあ百歩譲って認めてやるか・・(笑)
ただ、どーも納得行かなかったのは最後の決戦の意味は本当にあったんだろうか?と。 大体からして、オールグレンは南北戦争時に無謀な指揮を取ったが為に、ムダに兵士を見殺しにする事になった上官を激しく嫌っていたハズ・・・勝元が選択した最後の決戦は、正にコレと同じ事ではないだろうか? テメーの武士道をまっとうするために、自分を慕って集まって来た僅かな仲間達をムダに殺す事になると判っていて、どうしてオールグレンは彼に共感出来るのか?
お上の為に生き、お上の為に死ぬ・・という日本古来の考え方をアメリカ人にも判り易く表現したい、という事だったのかもしれないし、単に近代兵器に立ち向かう「サムライ刀」のカッコいい戦闘シーンを見せたかっただけなのかもしれないし・・・よく判んないんだけど、でも戦闘シーンは迫力があってカッコよかった♪(をい、どっちだよ。苦笑)
日本語のセリフが多く(当たり前だけど)、日本語セリフには当然英語字幕が出ます。 アメリカでは字幕映画はウケないという話を聞いた事があるんですが、本国での評判はどうなんでしょうか?
トム・クルーズよりも渡辺謙の演技の方が断然良かった。トム、頑張れよー!(笑)
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