監督:フアン・カルロス・フレスナディージョ 出演:レオナルド・スバラグリア ユウセビオ・ポンセラ マックス・フォン・シドー、他 オススメ度:☆☆+
【あらすじ】 「世界1強運な男」サムは、カジノを経営するだけでなく、秘密の地下室である“ゲーム”をおこなっていた。30年間一度も負けた事のないサムは、自分の特殊な能力と賭けによって得た莫大な財産を、地震で生き埋めになっている所を助けて育てて来たフェデリコに継がせるつもりだったものの、フェデリコはサムの元を逃げ出してしまった・・・それから7年後、フェデリコは飛行機墜落事故で唯一助かった強運の持ち主トマスに接触し、サムの行う「人生を賭けたゲーム」に参加するのだが。
【感想】 ぴよにはあまり馴染みのないスペイン映画。どーやらスペイン映画界ではトップスターが出演しているみたいなんだけど(あくまでも公式HPの自己申告)、どの役者さんもまるで見覚えのない面子揃いだったのですが・・・
ある所にカジノを経営している「世界一強運な男」サムと、世界中から集まった強運者達が自分の人生全てを賭けて勝負をするって話なんだけど、とにかく話の設定がさっぱりわかんない。(^_^;)
まずからして、サムに助けられて、サムの特殊な能力(人に触ると、触った人の運を全て吸い取る事が出来る)まで授けられて、挙句に莫大な財産の全てを相続させてあげるとまで言われていたフェデリコが、どうしてサムの元から逃げ出したかったんだかさっぱりわからない。
更にどうしてフェデリコはわざわざ強運の男を捜してサムのゲームに参加させようとするのか? そのゲームのルール説明も映画中に全くないし・・・ そもそも、「他人の運を吸い取る」事がどうして出来るのか不明なんだけど、そんな事はどーでもいいらしい。 とにかく運は吸い取る事が出来るんですよー!という強引な設定で話が進んでいるので、映画がかなり進んでいても頭の中は?が飛び交い、何がどーなってんだかぴよにはさっぱり判らなかったんだけどネ。
ただこの映画が興味深いと思ったのは、目に見えない「運」というもの(存在するのかも不確かだよね)を、映像として見せようとしているところ。人に触るとその人の運がなくなったり、運を吸い取った人の写真を集める事で自分の運がどんどん強くなったりするというのは、かなり面白いアイディアだと思う。
結局この映画が何を言いたかったのかよく判らなかったんだけど、キーワードは「愛」なのかな?と。 相手を愛するが故、巻き添えにしたくなくて「君に対して愛がなくなった」と告げ、結果的に愛する者を救った男と、愛がなくなった事を相手に告げられなかったが為に相手の運の全てを奪って殺してしまった女。 共に強運を持つ2人だけど、「愛」という言葉を挟んで対極に描かれているんだよね。
1度は敗者になったトマスと、最後の賭けをする事をサムが了承したのも「そこに愛があるから」だった。 ナチスの強制収容所から生還したサムの話も「友情を取るか運を取るか」の二者択一だったし、結局友情よりも運を取ったものの、友達が大切に持っていたお姉さんの写真をずっと離さず持っていたサムは、やっぱり「愛」を捨ててしまった事を後悔していたのかもしれない。
・・・なるほど。 映画見ててもさっぱり判らなかったけど、この感想書いてたら何だか頭の中がスッキリして来たぞ!(をいこら)
シュールで摩訶不思議で全編にB級臭の漂う映画であるものの、なかなか含蓄深いモノがありますわ。 この映画、すでにブエナビスタ社がリメイク版の製作を決定しているそーですが、ハリウッドの洗練された脚本で作り直すとまた別の面白味も出て来るかもしんないっすね。
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