監督:マーティン・キャンベル 出演:アンジェリーナ・ジョリー クライヴ・オーウェン テリー・ポロ、他 オススメ度:☆☆☆+
【あらすじ】 裕福なイギリス社交界の美しい人妻・サラは、義父の慈善活動の功績を讃える盛大なパーティに出席した際、会場に乱入して来た1人の青年医師に目を奪われた。彼は自分がエチオピアで活動している非営利援助活動での窮状を真摯に訴えたのだ。冷笑する周囲の中、サラは青年医師・ニックの言葉に突き動かされるように私財を投げ打ってでも援助資材を調達し、そして自らがエチオピアに赴く事を決意したのだ。 ところが現地に行ってみて、彼女のささやかな慈善ではとても太刀打ち出来ない過酷な現実を知る。そしてニックのひたむきな姿勢にサラは惹かれ、ニックもまたサラの純粋な心に打たれ、2人は強烈に惹かれ合って行ったのだが・・・
【感想】 トゥーム・レイダーで鍛え上げられた姿態を惜しみなく晒しまくるアンジェリーナ姉さんの新作は、エチオピア、カンボジア、チェチェン、そしてイギリスを舞台に壮大なスケールで描き出す愛の一大抒情詩。 アンジェリーナ姉さんは、スクリーン外でも2001年にUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の親善大使に任命され世界の難民キャンプを訪問するなど、救済活動にも積極的に取り組んでいて、この映画はそんな縁もあって彼女にとっては渾身の一作なんでしょう。
さて。 上記の前振りは全て公式HPからそっくり抜粋したよーなモノですが、
まずからして、アンジェリーナ姉さんが「イギリス社交界で生きる裕福な人妻」というイメージからかけ離れてます。(笑) んでもって、どーしてニックと出会った慈善パーティーで1人あそこまで思い込みが出来るのかが判らない。 更に、赴いたエチオピアでのニックとサラの絡みから、どーしてここまで「愛」が飛び交っちゃうのかサッパリ判らない。
いきなりボロクソ書いてますが、エチオピア、カンボジア、そしてチェチェンという、世界3大難民キャンプの悲惨な状況の描き込みは丁寧だったので、ここの部分はぴよ的には好評価ですよ。
日本人のぴよにとってこれらの国の悲劇的状況は、TVニュースで見ながら「気の毒にねぇ」と口にする程度で、正直言ってそれが本当にどれくらい悲惨なのか実感する事はない。本当はこの映画の映像なんてまだまだ生っちょろいんだろうけど、少なくともTVや雑誌でチョロッと見た事があるよネ・・程度の知識だったぴよにとっては、この映画の映像はかなり衝撃的で考えさせられるものがありましたよ。
ただ、この映画の見せたいモノの焦点がボケちゃってたよーな気がするんだよね。 この悲惨な難民キャンプで突然降って湧いたよーな恋愛劇が、ぴよには非常に白々しく見えたのが痛かった。
男と女の不倫劇を正当化して美しく謳い上げたいだけのネタなら、こういう設定じゃなくてもいいような気がする。 逆に、この地球のあちこちで今も叫び続けられる難民キャンプの悲劇的状況を切々と伝えたいなら、陳腐な恋愛劇など差し込まないで、思い切ってドキュメンタリータッチで真面目な映画にしてしまってもいいんじゃないか?とも思える。
まあ・・考え様によっては、真面目なドキュメンタリーでは映画館にわざわざ足を運んで見てくれる人がいないだろうから、人気女優を使って恋愛映画ですよーとアナウンスして観客を集めて、そこで本来見せたかった「難民キャンプの窮状とそれを支える国連と非営利慈善団体の存在」をアピールした方が、より効果的だったという事だったんだろうか?
ラストの展開はちょっと予想外だったものの、やっぱりぴよには恋愛部分がこの映画のネタから (つーか、すっかりぴよの中でこの映画のネタが「難民キャンプの窮状」だと決め付けちゃってますが。苦笑) 浮いちゃってるよーな感じがして、どーもしっくり来なかったんですけど。(^_^;)
でも、エチオピア、カンボジア、そしてチェチェンの悲劇的状況を知るきっかけにはなると思う。 そういう意味では若い人、それから世界情勢に興味のない大人にも見てもらった方がいい映画だとは思いますです。 ・・・まあ、恋愛部分はぴよには興味なかったんすけどネ。(笑)
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