監督:オリヴィエ・メガトン 出演:ジャン=マルク・バール アレクサンドラ・ネグラオ アーシア・アルジェント、他 オススメ度:☆☆
【あらすじ】 12歳の少女が1枚のDVDを持って警察に保護を求めた。DVDには少女の母親がメイドを惨殺するシーンが写っていたのだ。ところが母親は政財界に顔の利く武器商人だった為、警察も簡単に手が出せない。警察はアテにならないと悟った少女は、母親の手から逃れる為に警察から逃げ出し、偶然逃げ込んだ車に乗っていた男に助けられた。 男は秘密組織の元傭兵で、かつて誤って少年を殺してしまった事で心に深い傷を負っていたのだ。少女は男に頼み、3年前にポルトガル沖で遭難して亡くなったと言われている父親を探し出す事になったのだが。
【感想】 フランス人作家モーリス・G・ダンテック著の「La Sirene Rouge」の映画化。監督はリュック・ベッソンの秘蔵っ子、オリヴィエ・メガトン。フランス映画だけど会話は全て英語で展開されています。
心に傷を持つ元傭兵の寡黙な男と母親の魔の手から逃れる少女。母親の放った殺し屋達と銃撃戦を繰り広げながら、父親探しの旅に出る2人―何やら、どこかで見た事のあるような映画のツギハギみたいな印象がありますが。 ストイックな男と少女の組み合わせ、ってだけで「レオン」とか想像しちゃうしね。
映画全般通して「設定が曖昧」と言うか、「生ぬるい」っていう感じがする。 少女を助ける男ってのが、かつて傭兵時代に誤って幼い少年を撃ち殺してしまった事がトラウマになっているっていう設定なんだけど、それが「少女を父親の元へ届ける」という行為の理由付けになっている感じがあまりしない。 突然現れた少女に、いきなり「父性愛」とか「幼女性愛」みたいな盛り上がりを見せる男、って感じで(をい) せめて過去のトラウマが「我が子と妻の危機を救えずに、見殺しにしてしまった父親」という設定だったら、多少は納得出来たかもしんないなーと思ったんだけど。
女刑事の心理状態や位置付けってのもかなり曖昧。 自分の子供時代の写真をデスクに飾ってたりして、何か彼女にも過去がありそうな見せ方をしておいて、彼女の心理状態に関するシーンが全く出て来ない。 少女を何とかして助けたいと上司に食い付いた割には、「非公式で少女の保護に当たれ」と言われても今1つ乗り気じゃない様子だし、そのクセ事件後は「警察を辞めてしばらくポルトガルにいたい」と言い出す。 彼女は何か精神的に病んでいるのでしょうか?(笑)
更に訳わかんないのが少女の母親。 ぴよは映画がクライマックスに突入するまで、「母親は自分の犯した殺人を隠す為に我が子を殺そうとしているんだな」と思ってたんだけど、実はそーじゃなかった。明らかに我が子をぶっ殺そうとしてるよーにしか見えなかったのに、実は母親は少女を溺愛している愛情溢れるママだったのだ(爆) だったら殺し屋なんて使わずに、国境封鎖するとか・・もっとソフトに我が子を取り戻す方法考えりゃいいのに。 それくらいの権力はこの溺愛ママにはあるでしょうに。(^_^;)
等々、ツッコミどころ満載の銃撃アクション映画。 役者が悪いのか、それとも見せ方が悪いのか、肉弾戦シーンもスピード感が今1つで目新しい感じはない。 銃撃戦も見慣れちゃったしなぁ〜・・・今更この程度のシーンじゃワクワクしないのよネ。
そしてクライマックスは何故か建物が派手に吹っ飛ぶ。 ただのボート小屋なのに、きっと少女の父親はビルが吹っ飛ぶくらいの量の爆薬を隠し持っていたのでしょう(笑)
映画のコピーがさ、「男にとって少女は赤い妖精(レッド・サイレン)だった」っていうんだけどさ、 確かにクライマックスシーンで少女は赤いTシャツ着てましたネ♪・・・って、それだけかよ!?
うーん。なんだったんだろ?この映画。
|